お子さんから「通信制高校に行きたい」と言われて、頭では受け止めたいのに、気持ちが追いついていない。そしてそう思ってしまう自分を責めている。
この記事は、その状態にいる親御さんのために書きました。お子さんを説得する方法の記事ではありません。親御さん自身の気持ちを整理するための記事です。
応援したい気持ちはあるんです。でも正直、まだ受け入れられていなくて……。こんなことを思う親は、わたしだけでしょうか。
あなただけではありません。「通信制高校 親の気持ち」という言葉は、毎月320回ほど検索されています。同じ夜を過ごしている人が、それだけいるということです。
- 気持ちが追いつかないのは、当たり前のことです。親には準備の時間がなかったのだから
- 不安は5つに分けられます。そのうち3つは数字で答えが出ます
- 気持ちの整理と、手続きの整理は、同時でなくていい
- この記事では、お子さんを説得する方法は扱いません
\ 決めなくて大丈夫。資料を見てから考えても間に合います /
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30秒でわかる|いま、どの気持ちに近いですか
ひとことで「受け入れられない」と言っても、中身はいくつかに分かれます。自分がどこにいるかが分かるだけで、少し楽になります。
| いまの気持ち | この記事のどこを読むか |
|---|---|
| こう思う自分が嫌になる | 次の章 |
| 将来が心配でたまらない | 不安を5つに分解する章 |
| 周りにどう説明しよう | 世間の目の章 |
| 夫(妻)と意見が合わない | 温度差の章 |
| 眠れない・食べられない日が続く | 相談先の章へ先に進んでください |
一番下に当てはまる方は、記事を読み進めるより先に相談先を見てください。情報を集めることより、いまは休むことのほうが大事な段階かもしれません。
「受け入れられない」と思う自分は、悪い親なのか
結論から書きます。悪い親ではありません。そして、その気持ちを無理に消す必要もありません。
親には、準備する時間がなかった
お子さんは、言い出すまでに時間をかけています。何週間も、ときには何か月も考えて、やっと口に出しています。
一方で親は、その話を聞いた瞬間から考え始めます。準備期間がまったく違うのです。追いつかないのは当然で、あなたの愛情が足りないからではありません。
「すぐに笑顔で賛成できる親」のほうが、実は少数です。時間差があるのが普通だと知っておくと、自分を責めずに済みます。
期待していたのは「全日制」ではなく、子どもの将来だったはず
もう1つ。がっかりした気持ちの正体を、少していねいに見てみます。
多くの場合、親が守りたかったのは「全日制に通うこと」そのものではなく、その先にあると思っていた安心です。友達ができること、卒業できること、就職できること。
だとすれば、確かめるべきは「通信制でその安心が得られるかどうか」です。そしてこれは、感情の問題ではなく、調べれば分かる問題です。次の章から順番に見ていきます。
「気持ちの問題」と「調べれば分かる問題」を分けると、手がつけられる部分が見えてきます。全部を一度に解決しようとしなくて大丈夫です。
- 親に準備の時間がなかっただけ。愛情の問題ではない
- 守りたかったのは全日制そのものではなく、その先の安心
- だとすれば、確かめるのは「通信制でその安心が得られるか」
「がっかり」と「心配」は、分けて考える
もう少しだけ、気持ちのほうを整理させてください。多くの場合、親の中では2つの感情が混ざっています。
| 感情 | 正体 | どうすればいいか |
|---|---|---|
| がっかり | 思い描いていた景色と違った | 時間が解決する部分が大きい |
| 心配 | この先どうなるか分からない | 調べれば減らせる |
※どちらが悪いということではありません。分けると、手のつけ方が変わります。
やっかいなのは、この2つが混ざったまま「不安」という一語になってしまうことです。すると調べても減らない感じがして、余計に苦しくなります。
今日できるのは「心配」のほうを減らすことだけです。「がっかり」は、減らそうとしなくていいんです。時間が必要なだけなので。
たしかに、ごちゃ混ぜになっていました。分けて考えたことがなかったです。
分けたうえで、この記事では「心配」のほうを扱います。数字が出せるのはそちらだけなので。
親の不安を5つに分解する
漠然とした不安のままだと、いつまでも重いままです。5つに分けると、答えが出るものと出ないものがはっきりします。
①進学できるのか
数字で答えが出る不安です。通信制の大学等進学率は28.6%。全日制・定時制の58.4%と比べると、確かに差があります。
ただし内訳を見ると、公立17.1%・私立30.0%と倍近く違います。「通信制かどうか」より「どの学校か」で差がつくという読み方のほうが実態に近いです。
そして数字は動いています。通信制の大学等進学率は10年で13.5%から21.2%へ上がりました。
①は数字で答えが出る不安です。進学を重く見るご家庭なら、学校ごとの進路実績を数字で公表しているかを選ぶ基準にしてください。
②世間の目が気になる
これは正直に書きます。偏見が残っているのは事実です。ご親戚から心配されることもあるでしょう。
ただ、数字は時代の変化を示しています。通信制高校の生徒数は約30万人。高校生のおよそ10人に1人です。学校数も333校まで増えました。
「やめとけ」と言う人が見ているのは、10年前・20年前の通信制であることが多いです。数字を1つ持っておくと、家族との会話がかみ合いやすくなります。世間体の不安は通信制は恥ずかしいのかを検証した記事で正面から扱っています。
③生活リズムが崩れるのではないか
これは数字では答えが出ない不安です。正直に言えば、崩れる子もいます。
ただし、これは学校選びでかなり抑えられます。通学の頻度を週1・週3・週5から選べる学校なら、登校日を生活リズムの支えとして使えます。入学後に頻度を変えられるかも確認しておくと安心です。
④就職で不利にならないか
まず押さえておきたいのは、卒業資格に法令上の差はないということです。通信制高校は学校教育法第一条に定める高等学校で、卒業すれば全日制と同じ「高等学校卒業」になります。
実際の就職や進学のデータは通信制高校の就職と大学進学で詳しく扱いました。
⑤この選択を、あとで後悔しないか
5つのうち、これだけは誰にも保証できません。ここで「大丈夫です」と書く記事は信用しないでください。
言えるのは1つだけです。後悔の多くは「知らずに決めたこと」から生まれます。いま調べているという事実が、すでにその対策になっています。
- 数字で答えが出る:①進学 ②世間の目 ④就職
- 学校選びで抑えられる:③生活リズム
- 答えが出ないのは⑤だけ。5つ全部を抱える必要はない
- 「がっかり」は時間が引き受ける
- 「心配」は調べれば減る
- 混ぜたままだと、どちらにも手が出せない
| 不安 | 答えが出るか | どこで分かるか |
|---|---|---|
| ①進学できるのか | 出る | 公的な統計+学校ごとの実績 |
| ②世間の目 | 出る | 生徒数と学校数の推移 |
| ③生活リズム | 出ない | 通学頻度を選べる学校かどうかで抑える |
| ④就職 | 出る | 卒業資格は全日制と同じ |
| ⑤後悔しないか | 誰にも分からない | — |
※5つのうち抱え続ける必要があるのは⑤だけです。
数字で見ると、どこまでが本当の心配か
| 気になること | 公的なデータ |
|---|---|
| 珍しい進路なのか | 生徒数 約30万人=高校生の10人に1人/学校数333校 |
| 大学に行けるのか | 通信制 28.6%(公立17.1/私立30.0)|全日制・定時制 58.4% |
| 進学率は上がっているのか | 10年で 13.5% → 21.2% |
| 同じ状況の子は多いのか | 生徒の 44.5% に不登校の経験がある |
| 卒業資格は違うのか | 法令上の差はない(学校教育法第一条の高等学校) |
出典:文部科学省「学校基本調査(令和7年度)」/e-Stat「学校基本調査」/リクルート進学総研「高校生の進路選択に関する調査(通信制)」/通信制高校等の質保証を目指す会・生徒調査レポート(PDF)(2026年9月確認)
44.5%という数字を、わたしはこう読んでいます。「うちの子だけが特別なわけではない」。学校側も、そういう子たちを前提に仕組みを作っているということです。
制度としてのメリットとデメリットは通信制高校のメリット・デメリットに、「人生が終わる」という言葉の検証は通信制高校で人生は終わるのかにまとめています。
「わたしの育て方のせいでは」と思ってしまうとき
検索していると、「不登校になりやすい親の特徴」といった言葉に行き当たることがあります。読んで、よけいに落ち込んだ方もいるかもしれません。
ここははっきり書きます。原因を1つに決められるものではありません。そして、わたしは心理や医療の専門家ではないので、原因の話には踏み込みません。
ネット上の「〇〇な親だから」という断定には、根拠が示されていないものが多いです。書いた人が誰で、何を根拠にしているかを確かめられない情報は、いったん置いてください。
自分を責めても、お子さんは楽にならない
これは責任逃れの話ではありません。親が自分を責めている状態は、子どもにも伝わります。「自分のせいで親がつらそうだ」と感じさせてしまうことがあります。
過去を振り返る時間より、これからの選択肢を1つでも多く残す時間のほうが、いまは役に立つはずです。
わたし自身、子どものことで自分を責めた経験は何度もあります。ただ、責めている間は一歩も動けませんでした。動き出せたのは、責めるのをいったんやめたときでした。
- 原因を1つに決められるものではない
- 根拠の分からない「親のせい」論は読まない
- 自分を責める時間は、お子さんの役には立たない
気持ちが追いつかないまま、手続きを進めていい
ここが、この記事で一番お伝えしたいところです。
納得してから動く必要はありません。気持ちの整理と、手続きの整理は、別々に進めてかまわないのです。
出願には期限があります。気持ちが固まるのを待っているうちに締切が過ぎると、選択肢そのものが減ってしまいます。逆に、資料を取り寄せたり説明会に行ったりしても、入学する義務はありません。
「まだ迷っているのに動くのは、子どもに期待させてしまう」と感じる方へ。逆に考えてみてください。調べている姿を見せることは、「あなたの話を真剣に受け取った」という一番わかりやすい返事になります。
賛成したわけじゃないのに、動き出していいんでしょうか。
いいと思います。「賛成」と「選択肢を残しておく」は別のことですから。締切を過ぎてから気持ちが固まっても、できることが減ってしまいます。
通信制にしたら、親は楽になるのか
ここは正直に書かないとフェアではないので、書きます。親の関わりは、減るとは限りません。
全日制なら、学校が時間割を決めて、毎日の登校が生活リズムを作ってくれます。通信制はその枠がないぶん、レポートの進み具合を気にかける役目が家庭に移ります。
| 項目 | 全日制 | 通信制 |
|---|---|---|
| 時間の管理 | 学校の時間割 | 本人と家庭 |
| 課題の進み具合 | 授業の中で把握 | 提出状況を見る必要あり |
| 登校の判断 | 毎日 | スクーリングの日だけ |
| 学校からの連絡 | 担任から随時 | 学校による差が大きい |
※だからこそ、学校選びで「誰が・どのくらいの頻度で声をかけてくれるか」を確認しておく意味があります。
説明会で使える質問を1つ。「レポートが2週間止まったら、学校からどんな連絡がありますか?」。ここに具体的に答えられる学校なら、家庭の負担はかなり違ってきます。
学校選びの手順は通信制高校の選び方に、仕組みそのものは通信制高校とは何かにまとめました。
逆に言えば、ここを確認しておけば「親が全部背負う」状態は避けられます。不安なまま入学するより、先に聞いてしまうほうが早いです。
夫婦で温度差があるとき
「甘やかすな」と言われた。片方だけが調べている。この状態は、かなり多くのご家庭で起きています。
大事なのは、どちらかを説き伏せようとしないことです。勝ち負けにすると、決まったあとにしこりが残ります。
この話はそれだけで1本の記事になるので、不登校で夫婦の意見が合わないときに分けて書きました。誰も悪者にしない進め方を扱っています。
公的なデータを、配偶者を論破する材料に使わないでください。数字で勝っても、気持ちは動きません。データは「一緒に見るもの」として出すほうが、結果的に早く進みます。
夫婦で話す前に、この記事を配偶者に読んでもらうという使い方もできます。口で説明するより、第三者の文章のほうが受け取りやすいことがあります。
- 親の関わりは減るとは限らない
- 時間割がないぶん、進み具合を見る役目が家庭に移る
- だから学校選びで「誰が・どの頻度で声をかけるか」を必ず聞く
しんどさが続くときの相談先
眠れない日が続いている。食事が喉を通らない。涙が止まらない。そういう状態のときは、情報を集めるより先に休んでください。
親御さん自身が相談できる窓口を、相談窓口のまとめに整理しています。電話番号はすべて公式サイトで確認したもので、このページに広告は一切入れていません。
わたしは心理の専門家ではないので、ここから先には踏み込みません。この記事でできるのは、事実を整理することまでです。気持ちのしんどさは、専門の人に預けてください。
相談していいのか、それすら分からなくて。
迷ったら公的な窓口からで大丈夫です。無料ですし、「まだ何も決まっていないのですが」で始めて構いません。
分からないことは、資料で減らせる
不安の正体が「よく分からないこと」なら、分かる分だけでも先に減らせます。
| 親が気になること | 資料で確認できるか |
|---|---|
| 年間の登校日数・テストの回数 | できる(募集要項) |
| 学費の総額と支払い時期 | できる(募集要項) |
| サポート体制(誰が・どの頻度で) | できる(学校案内) |
| 進路実績の数字 | 学校による |
| うちの子に合うかどうか | できない(説明会や個別相談で) |
取り寄せは無料で、入学の義務もありません。「見るだけ」でいいのです。
\ 登校日数・テストの回数・学費は、募集要項に書かれています /
公式サイト https://nnn.ed.jp/
- 登校日数・テストの回数・学費は募集要項に書いてある
- サポート体制は学校案内で分かる
- 「うちの子に合うか」だけは会ってみないと分からない
1校だけだと比べる物差しがありません。2〜3校取り寄せると、どこが標準でどこが特別なのかが見えてきます。
よくある質問
子どもに「反対された」と思われたくありません。どう伝えればいいですか?
気持ちが追いついていないことを、そのまま伝えて構わないと思います。「反対ではないけれど、まだ整理できていない。一緒に調べさせてほしい」という形なら、拒否にはなりません。この記事では説得の技術は扱いませんが、隠して取り繕うより正直なほうが、あとで関係がこじれにくいはずです。
親が反対したら、通信制には行けませんか?
未成年の入学手続きには保護者の同意が必要なので、現実には親の判断が大きく影響します。ただ、反対か賛成かの二択にせず「条件つきで検討する」という進め方もできます。学校見学に一緒に行ってから決める、という形にしているご家庭もあります。
通信制を選ぶのは「甘え」でしょうか?
通信制は学校教育法第一条に定める高等学校で、卒業には74単位以上の修得が必要です。全日制と同じ卒業資格が出る以上、制度上「楽な道」ではありません。むしろ時間割がないぶん自己管理が求められる設計なので、しんどさの種類が違うと考えるほうが実態に近いです。
祖父母や親戚に、どう説明すればいいですか?
数字を1つ持っておくと話が早いです。「いま高校生の10人に1人が通信制」「学校数は333校」(文部科学省 学校基本調査・令和7年度)。説得しようとするより、事実を1つ置いて話題を変えるくらいが、角が立ちません。
気持ちが固まらないまま、資料請求してもいいですか?
問題ありません。資料請求は無料で、入学の義務も発生しません。出願には期限があるので、気持ちが固まるのを待つと選択肢が減ってしまうことのほうが心配です。
学費が心配で賛成できません。
高等学校等就学支援金は令和8年度(2026年度)から所得制限が撤廃され、保護者等の収入の状況を問わない制度になりました。私立通信制の支給上限は年337,200円です(上限であって、実際の授業料までしか支給されません)。金額の全体像は学費の記事で整理しています。
この気持ちは、いつになったら消えますか?
正直なところ、分かりません。人によって違いますし、完全には消えないという方もいます。ただ、消えないまま前に進んでいるご家庭はたくさんあります。気持ちが整うことを、行動の条件にしなくて大丈夫です。
同じ立場の親と話せる場所はありますか?
自治体の教育相談や、不登校の親の会などがあります。当サイトの相談窓口のまとめに、公式に公開されている窓口を集めました。ネット上の掲示板は玉石混交なので、まず公的な窓口から当たることをおすすめします。
ここまで読み切れたなら、もう十分に向き合っています。あとは、今日できる小さいことを1つだけ選べば大丈夫です。
今夜できる一歩
今日は、大きな決断をしなくて大丈夫です。
- 5つの不安のうち、自分が一番引っかかっているのはどれかを1つ選ぶ
- それが①②④なら、この記事の数字をもう一度読む
- それが③なら、通学頻度を選べる学校を候補に入れる
- ⑤しか残らないなら、もう十分に考えています。今日はここまでで終わりにしてください
最後に1つだけ。お子さんの進路を、こんな時間まで調べている。それ自体が、もう答えのような気がします。
気持ちが追いつくのは、あとからで構いません。先に選択肢だけ残しておけば、そのときに選べます。
\ 資料請求は無料。入学の義務はありません /
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