お子さんが学校に行けなくなって、そのうえ配偶者と意見が合わない。「甘やかすな」「そのうち行くようになる」と言われて、話し合いにならないまま日が過ぎている。この記事にたどり着いたのは、そういう状況かもしれません。
子どものことだけでも精一杯なのに、家の中でも一人で立っているような感覚。しんどいですよね。
私も子を持つ親です。そのうえで、この記事は「夫婦のどちらが正しいか」を決めるためのものではありません。先に結論を言います。
意見が割れるのは、どちらかが冷たいからではなく、見ている情報が違うからであることが多いです。だから、話し合いの前にやることがあります。事実を1つ、揃えることです。
「わかってくれない相手をどう説得するか」という問いは、いったん置きます。この記事が目指すのは、勝ち負けではなく、二人が同じ情報を見て、一緒に決められる状態です。
読み終える頃には、今夜やること(と、今夜はやらなくていいこと)がはっきりしているはずです。
なお、進路の話でいちばん揉めやすいのが通信制高校です。実態を知らないまま議論すると平行線になるので、パンフレットや募集要項という「第三者の資料」を間に置く方法を後半で紹介します。資料は無料で、取り寄せたからといって進学の義務は生まれません。
結論|対立の正体は「情報の差」であることが多い
不登校をめぐって家庭内で意見が割れるとき、表面に出てくるのは感情のぶつかり合いです。「甘やかすな」「あなたは何も見ていない」。言葉だけを見れば、価値観の対立に見えます。
でも、少し引いて見ると、二人が持っている材料がまったく違うことに気づくことがあります。
- 日中の子どもの様子を見ている人と、見ていない人
- 担任や相談機関と話している人と、話していない人
- 今の高校制度を調べた人と、自分が高校生だった頃の記憶しかない人
同じ家に住んでいても、手元にある情報がここまで違えば、出てくる結論が違うのは自然なことです。違う地図を持った二人が、行き先について話している状態に近いと考えてみてください。
そう捉え直すと、やることが変わります。相手の考えを変えようとするのではなく、地図を一枚にする。これがこの記事の提案です。
もちろん、情報を揃えれば必ず意見が一致する、とは言いません。揃えたうえで判断が分かれることもあります。ただ、その場合でも「何について意見が違うのか」がはっきりします。正体の分からない対立より、輪郭のある意見の相違のほうが、はるかに扱いやすいという考え方もあります。
今夜、結論を出す必要はありません。まずは、対立の正体を見直すところから始めましょう。
なぜ意見が割れるのか|反対する側にも理由がある
ここでは、進路に反対したり「甘やかすな」と言ったりする側に、どんな事情があるのかを整理します。
なお、意見が割れる相手は配偶者とは限りません。ひとり親のご家庭で、祖父母や親族と食い違うこともあります。以下は「配偶者」に限らず、進路に反対している人全般の話として読んでいただけます。
先に断っておきます。以下はどれも「悪意ではない」という前提で読んでください。反対している人を悪者にしても、家の中の状況は良くなりません。むしろ、理由が見えたほうが打つ手が見つかります。
①子どもの様子を見ている時間が違う
いちばん大きいのが、これかもしれません。
日中に家にいる側は、朝の重い空気も、布団から出られない様子も、夕方に少し回復する波も見ています。一方、日中に家にいない側が目にするのは、夜のリビングにいる子どもの姿だけです。
夜だけを切り取れば、「ゲームしてるじゃないか」「元気そうに見えるけど」という感想になるのは、ある意味で当然です。見えている場面が違うのですから。
「見ていないのに」と言いたくなる場面もあると思います。毎日その時間を引き受けているのですから、当然の気持ちです。ただ、そこで争うと話が止まりやすいのも事実です。余力があるときでかまわないので、見えていない時間帯に何が起きているかを、事実として渡してみる。それだけで受け取り方が変わることがあります。
②自分が育った時代の常識で判断している
「高校くらい出ておかないと」「休んだら人生が終わる」。こうした言葉の背景には、その人が10代だった頃の常識があります。
20年、30年前の高校進学のイメージのまま止まっているだけ、というケースは少なくありません。当時、通信制高校や転入という選択肢が身近だった人は多くないはずです。
これは知識の問題であって、子どもへの愛情の問題ではありません。だからこそ、新しい情報が入れば意見が変わる余地があるとも言えます。
③不安の表れ方が「厳しさ」として出る
心配していないから厳しいことを言う、とは限りません。
不安の表し方は人によって違います。心配を言葉にして共有する人もいれば、「大丈夫だ」「気にするな」と打ち消す人もいる。そして、不安が強いほど「しっかりさせなければ」という方向に振れて、厳しい言葉として出てくることもあります。
「甘やかすな」という言葉の裏に、将来を心配する気持ちがある場合もある。そう考えてみるだけで、返す言葉が少し変わるかもしれません。
※ここで、相手の心理を勝手に解釈しすぎないことも大切です。「本当は心配なんでしょ」と決めつけると、それはそれで別の対立になります。あくまで「そういう可能性もある」という程度に留めるのが安全です。
④通信制高校の実態を知らない
進路の話でとくに揉めやすいのが、ここです。
通信制高校について、次のような認識のまま反対しているケースがあります。
- 卒業しても「高校卒業」として扱われないのではないか
- 学校に通わないなら、ずっと家にいることになるのではないか
- 大学進学はできないのではないか
実際には、通信制高校を卒業して得られるのは全日制と同じ「高等学校卒業」の資格です。学び方も学校ごとに幅があり、ネット中心のコースから週に何日か通学するコースまで用意されています。
この種の食い違いは、議論では解けません。資料を1つ見れば数分で片づくことが多い。だからこそ、後の章で「同じ資料を見る」という方法を提案します。
通信制高校そのものの仕組みについては、通信制高校とは何かを解説した記事にまとめています。
話し合う前に、事実を1つ揃える|公的データで見る現在地
ここがこの記事の核です。
意見が割れているとき、多くの家庭で議論の土台になっているのは「うちの子は大丈夫なのか」という不安です。そして不安は、正確な情報がないほど大きくなります。
そこで、感情の議論を始める前に、事実を1つだけ揃えることを提案します。文部科学省が毎年公表している調査の数字です。
高校で不登校の状態にある生徒は67,782人
文部科学省の調査(令和6年度・令和7年10月29日公表)によると、高校で不登校の状態にある生徒は67,782人。30日以上欠席している長期欠席者は103,608人です。
10万人という規模を、どう受け取るかは人それぞれだと思います。ただ、少なくとも「うちの子だけに起きている特別な事態」ではないことは、この数字が示しています。
「うちの育て方が悪かったのだろうか」と、ご自身を責めている方もいるかもしれません。これだけの人数がいるということは、家庭のしつけだけで説明できる話ではない、ということでもあります。誰かの落ち度を探す必要はありません。
中途退学は44,571人・中退率1.4%。理由の大半は「進路変更」
同じ調査で、1年間に高校を中途退学した生徒は44,571人。中退率は1.4%です。
注目したいのは理由の内訳です。
| 中退の理由 | 割合 |
|---|---|
| 進路変更 | 41.5% |
| 学校生活・学業不適応 | 35.0% |
| 学業不振 | 6.3% |
上位2つ(41.5%+35.0%)を合わせると約77%。多くは「別の道に進みたい」「今の学校が合わなかった」という理由です。
知っておきたい定義|転学は「中退」に含まれない
もう1つ、話し合いの土台になる事実があります。
この調査でいう「中途退学」の定義には、転学者は含まれません。つまり、別の高校へ移ること(転校)は、中退としてカウントされないということです。
これは細かい話に見えて、家庭内の議論ではかなり効きます。「通信制に移る=高校を辞める=中退」というイメージで反対している場合、その前提が事実と違うからです。
在籍したまま別の高校へ移る「転入」なら、在籍が途切れません。制度上の扱いも、退学とは別物です。手続きの流れは通信制高校への転入を制度から解説した記事にまとめています。
「感情の議論」を「事実の確認」に変える
これらの数字を、相手を論破するために使わないでください。「ほら、こんなにいるんだから」と突きつけると、相手は反発します。目的が入れ替わってしまいます。
おすすめしたいのは、こういう渡し方です。
「文科省の調査を見たんだけど、高校で不登校の子が6万人以上いるらしい。あと、転校は中退に入らないんだって。知ってた?」
結論を言わずに、事実だけを置く。意見の表明ではなく、情報の共有として渡す。それだけで、会話の性質が変わることがあります。
感情の議論には勝ち負けが生まれますが、事実の確認には勝ち負けがありません。二人とも同じ側に立って、同じ画面を見ることになるからです。
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(令和7年10月29日公表/2026年8月確認)
説得ではなく「同じ資料を見る」|第三者の物を間に置く
事実を1つ揃えたら、次の一歩です。
ここでも、説得は目指しません。代わりに提案したいのが、二人のあいだに「第三者の物」を置くという方法です。
なぜ資料を間に置くと話が進みやすいのか
親同士が向かい合って話すと、どうしても「あなたの意見」対「私の意見」になります。どちらかが折れる形でしか終わりません。
ところが、テーブルにパンフレットや募集要項が1冊あると、構図が変わります。二人が同じ方向を向いて、紙に書いてあることを一緒に読む作業になるからです。
学費、コースの種類、通学日数、出願時期。こういう情報は、どちらの意見でもありません。学校が公式に出している事実です。反対する理由も、賛成する理由も、同じ資料の上で話せるようになります。
見るときのコツ|結論を出さずに「見るだけ」の時間にする
資料を出すときに、「これにしよう」と切り出すと身構えられます。おすすめは、あらかじめ今日は決めないと宣言しておくことです。
「決める話じゃなくて、どんな学校があるのか見てみたいだけ。10分だけ付き合って」
この前置きがあるだけで、相手の受け取り方は変わることがあります。判断を求められていないと分かれば、人は情報を素直に見やすくなるからです。
もう1つ。資料はできれば、2〜3校分あると良いという考え方もあります。1校だけだと「もう決めているんだろう」と見えますが、複数あれば比較検討をしている姿勢が自然に伝わります。
通信制高校の選び方の観点は通信制高校の選び方の記事に、学費の相場は学費の解説記事にまとめています。
資料請求は無料です。取り寄せても進学の義務は生まれませんし、お子さんに見せるかどうかも後から決められます。まずは親の手元に材料を置く、という段階の使い方で構いません。
それでも折り合わないとき|期限のある判断とない判断を分ける
資料を一緒に見ても、意見が揃わないことはあります。そのときに効くのが、判断を2種類に分けるという考え方です。
| 種類 | 例 | いつ決めるか |
|---|---|---|
| 期限がある判断 | 転入の出願時期、願書の締切、学校説明会の日程 | 締切から逆算して決める |
| 期限がない判断 | 進路の最終決定、将来どう生きるか、学校観の違い | 今日でなくていい |
家庭内の話し合いがこじれるとき、この2つが混ざっていることがよくあります。締切のある手続きの話をしていたはずが、いつのまにか「そもそも学校とは何か」という議論になっている。逆に、期限のある手続きが「まだ決まらないから」と放置されている。
そこで、期限があるものだけを先に洗い出すのが現実的です。
- 今の学校で、いつまでに何を提出する必要があるか(担任に確認)
- 候補校の転入・出願の受付時期はいつまでか(資料か公式サイトで確認)
- 説明会やオープンキャンパスの日程はいつか
この3つを紙に書き出して共有するだけでも、話が具体的になります。「いつまでに決めればいいか」が見えると、それまでの時間は考える時間として使えるからです。
そして、進路の最終決定は今日でなくていい。これは覚えておいてほしいことです。急いで決めた結論は、後で覆りやすく、そのたびにまた対立が起きます。
なお、「高校が合わない」と本人が言い始めている場合の選択肢の全体像は、高校が合わないと言われたときの4つの選択肢の記事で整理しています。転入という道の具体的な仕組みは転入の解説記事をご覧ください。
子ども本人が置き去りにならないように
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい章です。
親同士が真剣に話し合っているとき、その話題の中心にいる本人が、置き去りになってしまうことがあります。悪気がなくても起きることです。だからこそ、意識して避けたい場面がいくつかあります。
親同士が言い合う場に、本人を立ち会わせない
自分のことで親が言い争っている場面は、子どもにとって重い時間になりがちです。「自分のせいで」と受け取ってしまうこともあります。
意見が対立しそうなときは、場所と時間を変える。子どもが自室にいる時間や、外で話すなど、聞こえない場所で話す。物理的な工夫ですが、効果は小さくないという考え方もあります。
「どっちの味方か」を選ばせない
議論が行き詰まったとき、本人に意見を求めたくなることがあります。「あなたはどう思うの」と。
ただ、対立している二人の前でそれを聞かれると、子どもにとっては進路を答える質問ではなく、どちらの親につくかを答える質問になってしまうことがあります。
そうなると、本音ではなく「その場が収まる答え」が返ってきやすい。そして後から、その答えが本人を縛ることになります。
本人の意思確認は、落ち着いた場で別に行う
本人の希望を聞くことは、もちろん大切です。ただ、聞くタイミングを議論の場から切り離す。これが提案です。
できれば、親のどちらか一人と、静かな時間に。「今すぐ決めなくていいんだけど」と前置きして、答えなくてもいいことを伝えたうえで聞く。
返ってくるのが「わからない」でも、それは十分な答えです。分からない状態を正直に言えたのなら、その時点では上出来という見方もできます。
親同士の意見が揃っていないこと自体は、子どもに伝わっていて構わないと思います。隠しきれるものでもありません。ただ、子どもがその調整役にならないように。そこだけは、大人の側で引き受けたい部分です。
一人で抱えているなら|無料で使える公的な相談先がある
ここまで読んで、「そもそも家の中に話せる相手がいない」と感じた方もいるかもしれません。
家庭の外にも、話を聞いてくれる場所があります。しかも無料です。
- 教育支援センター:各自治体が設置している相談機関。不登校の子と家庭の相談を受け付けています
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310。夜間・休日も含めていつでもつながる公的な電話窓口です
- スクールカウンセラー:在籍校を通して相談できます。保護者だけの相談も可能な場合があります
どの窓口が何に対応しているかは、相談窓口のまとめ記事で整理しています。
相談することは、弱さの表れではありません。情報を持っている人に情報を聞きに行く、という実務的な行動です。家庭内で意見が割れているという状況そのものを相談してもかまいません。それも珍しい相談ではないはずです。
とはいえ、「相談すべき」と押しつけるつもりはありません。今はその気力がない、という時期もあります。窓口があるという事実を知っておくだけでも、意味があると思います。
ひとつだけ、はっきり書いておきます。眠れない、食べられない、気持ちが沈んで動けないといった状態が続いているなら、進路の話より先に、医療機関や自治体の相談窓口につながってください。お子さんについても、ご自身についてもです。この記事は進路情報のサイトであって、心身の状態を判断できる立場にはありません。専門の窓口を頼ってください。
出典:文部科学省「子供のSOSの相談窓口」(2026年8月確認)
当サイトが基準に置くN高|説得の道具ではなく、共通の材料として
当サイトでは、通信制高校を比べるときの基準としてN高等学校を置いています。この章では、その理由を簡単に説明します。
前提として、反対している側は、通信制高校を昔のイメージで捉えていることが少なくありません。「学校に行かない子が行くところ」「卒業しても認められない」といった認識です。
実際にどういう学校なのかは、資料を見れば数分で分かります。
- 卒業資格は全日制と同じ「高等学校卒業」
- ネット中心のコースから通学コースまで、学び方に幅がある
- 転入生の受け入れ時期が多く、年度途中でも動きやすい
N高を基準に置いているのは、規模が大きく情報が公開されていて、比較の物差しとして使いやすいからです。「N高がいちばん良い」という意味ではありません。他校を検討するときの目盛りとして便利、という位置づけです。
N高がどんな学校かはN高等学校とは何かを解説した記事にまとめています。
そのうえで、あらためて書いておきます。資料は説得の道具ではなく、二人で見る共通の材料として使ってください。「ほら見て、こんなにちゃんとした学校だから」ではなく、「こういう学校もあるみたい。どう思う?」と。
相手に判断の余地を残したほうが、結果的に話が進みやすいという考え方もあります。
夫婦で話す前に、まずご自身の気持ちを整理したい場合は。通信制を選んだ子の親の気持ちで、「がっかり」と「心配」を分けて考える方法をまとめました。
よくある質問
夫が「甘やかすな」と言って取り合ってくれません
この記事から「正解」をお渡しすることはできませんが、考え方の選択肢を3つ挙げます。
1つ目は、その言葉に反論しないという選択です。「甘やかすな」に「甘やかしてない」と返すと、そこから先は水掛け論になりがちです。いったん受け止めて、話題を事実に移す。
2つ目は、見えていない情報を渡すという選択です。日中の様子、担任から聞いた話、調べた制度。意見ではなく事実として、短く共有する。長文のメッセージより、短い口頭のほうが届きやすいこともあります。
3つ目は、今は話し合わないという選択です。相手にも受け取れる時期とそうでない時期があります。手続きの期限が迫っていないなら、待つことも選択肢のひとつです。
どれが合うかは、ご家庭の状況によります。少なくとも「言い負かす」以外の道はある、ということはお伝えしておきたいです。
祖父母が通信制に強く反対しています
意見が割れる相手は、配偶者とは限りません。祖父母や親族との食い違いに悩む方もいます。ひとり親のご家庭では、むしろこちらのほうが大きいこともあります。
考え方として、まず決定権がどこにあるかを整理する方法があります。進路を決めるのは、本人と保護者です。祖父母の意見は参考にはなりますが、決定権を持つ立場ではありません。
そのうえで、伝え方を変える手もあります。祖父母世代にとって、通信制高校は情報がほとんどない存在です。「高校を辞める」と伝えるのと、「高校を移る。卒業資格は同じ」と伝えるのでは、受け取られ方がまったく違うことがあります。
また、すべてを共有しないという判断もあり得ます。決まってから伝える、というやり方を選ぶ家庭もあります。どれが良いかは関係性次第です。
本人が話し合いに入りたがりません
無理に引き込まなくてよい、という考え方があります。
進路の話は、本人にとって「今できていないこと」を突きつけられる時間になりやすいものです。避けたくなるのは自然な反応とも言えます。
できることとしては、情報だけを置いておく方法があります。パンフレットをリビングに置く、「こういう学校があるらしい」と一言だけ伝える。反応を求めずに置く。
本人が動き出すタイミングは、親の準備が整った時期とは一致しないことが多いものです。そのときのために、親が材料を持っておく。それがこの段階でできることかもしれません。
意見が合わないまま時間だけが過ぎています。焦るべきでしょうか
焦る必要があるかどうかは、期限のある手続きが目の前にあるかどうかで判断できます。
出願の締切や在籍校への提出物など、日付が決まっているものだけを確認してください。それが差し迫っていないなら、今は考える時間として使えます。
時間が過ぎていることそのものより、期限を把握していない状態のほうがリスクになる、という見方もできます。まず日付を確認する。それだけで、焦りの種類が変わることがあります。
まとめ|勝ち負けではなく、同じ情報を見て一緒に決める
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 意見が割れるのは、どちらかが冷たいからではなく、見ている情報が違うからであることが多い
- 反対する側にも理由がある(見ている時間の差/時代の常識/不安の表れ方/通信制の実態を知らない)
- 話し合いの前に事実を1つ揃える。高校の不登校は67,782人、長期欠席は103,608人、中退は44,571人(1.4%)
- 転学は「中退」に含まれない。転校=中退ではない
- 説得ではなく、資料という第三者の物を間に置いて一緒に見る
- 期限のある判断とない判断を分ける。進路の最終決定は今日でなくていい
- 親同士の対立に、子どもを立ち会わせない・選ばせない
- 無料の公的相談窓口がある。心身がしんどいときは専門機関へ
家庭の中で意見が割れている状況は、本当に消耗します。子どものことを考えるだけで手一杯なのに、そのうえ隣にいる人と分かり合えない。孤独だと思います。
ただ、意見が違うのは、二人とも真剣だからでもあります。どうでもいいと思っている相手とは、対立すら起きません。
目指すのは、どちらかが正しいと決めることではなく、同じ情報を見て一緒に決められる状態です。そこにたどり着くまでには時間がかかります。でも、進む方向は決まっています。
【今夜できる一歩】今夜は「今日は決めない」と自分の中で決めてしまって構いません。そのうえで余力があれば、事実を1つだけ共有してみてください。「高校で不登校の子、6万人以上いるんだって」。それだけで十分です。もう少し動けそうなら、資料を1つ取り寄せておく。数分で終わりますし、届いた頃には話す準備ができているかもしれません。
