「高校を辞めたい」と言われた。あるいは、もう辞めてしまった。
親として頭が真っ白になりますよね。この子の将来はどうなるのか、と。
先にお伝えします。高校中退はやり直せます。通信制高校への編入、高卒認定試験など、道は1つではありません。
しかも、どの道も「今すぐ決めないと閉じる」ものではないです。急いで決めるより、選択肢を並べて比べるほうが結果的にうまくいきます。
この記事では、中退後の主な選択肢と、通信制最大手のN高等学校に編入する場合の流れ・学費を、2027年度の生徒募集要項をもとに整理しました。
※資料請求は数分で完了します。入学の申し込みではありません。
※本記事はN高グループ公式サイト・公式コラム・2027年度生徒募集要項をもとにしています(2026年8月確認)。個別の可否は必ず学校への相談で確認してください。
こんな不安はありませんか
- 高校を中退して(しそうで)、この先どうなるのか分からない
- もう一度高校に入り直せるのか知りたい
- お金がどれくらいかかるのか見当がつかない
- 中退後の主な道は通信制への編入・高卒認定・働きながら考えるの3つ
- N高のネットコースへの編入は4月・7月・10月・1月の年4回
- 編入は就学支援金の「先引き」対象外。初年度は約30万円多めの準備が必要(あとから支給される)
この記事を書いた人|さとみ
子どもを持つ母。わが子の進路も他人事ではないと感じ、N高等学校の2027年度募集要項・公式サイト・進路実績データをすべて読み込んで整理しました。体験談の創作はせず、出典つきの一次情報だけで書いています。
高校中退は珍しくない|国のデータで見る
まず、中退がどれくらいあるのかを国のデータで確認します。
| 項目 | 令和4年度 |
|---|---|
| 高校の中途退学者数 | 43,401人 |
| 中途退学率(在籍者に占める割合) | 1.4% |
| 中退の理由(主なもの1つ) | 割合 |
|---|---|
| 進路変更 | 43.9% |
| 学校生活・学業不適応 | 32.8% |
| 学業不振 | 6.0% |
| 病気・けが・死亡 | 4.9% |
| 家庭の事情 | 3.3% |
| 問題行動等 | 2.8% |
| 経済的理由 | 1.4% |
出典:文部科学省「高等学校教育の在り方ワーキンググループ 参考資料5」(令和6年9月12日。原データは令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査)
理由の1位は「進路変更」です。中退は「失敗」ではなく、別の道に進むために選ばれていることが多いと数字が示しています。
中退後の主な選択肢は3つ|どれも「やり直し」の正規ルート

まず全体像です。高校を中退した後の道は、大きく3つあります。
| 選択肢 | 得られるもの | 向いているケース |
|---|---|---|
| 通信制高校へ編入 | 高卒資格(全日制と同じ卒業証書) | 高卒資格を確実に取りたい。学び直しの環境がほしい |
| 高卒認定試験(高認) | 「高卒と同等の学力」の認定 | 大学・専門学校への進学を最短で目指したい |
| 働きながら考える | 社会経験・収入 | 今は学校に戻る気力がない。時間を置きたい |
通信制高校へ編入する
中退後にもう一度高校へ入り直すことを「編入」といいます。
ここで親御さんに最初に知ってほしい事実があります。通信制高校を卒業して得られる高卒資格は、全日制とまったく同じです。卒業証書に「通信制」とは書かれません。
前の高校で取った単位や在籍期間が引き継げる場合もあるので、ゼロからのやり直しになるとは限りません(くわしくは後述します)。
高卒認定試験(高認)を受ける
高卒認定試験は、文部科学省が実施する国の試験です。合格すると、大学・短大・専門学校の受験資格が得られます。
ただし注意点があります。高認に合格しても学歴は「高卒」にはなりません。大学などに進学して卒業しなければ、最終学歴は中卒のままです。
進学の意思がはっきりしているお子さんには近道になります。逆に「進学するかまだ分からない」なら、高卒資格そのものが手に入る通信制のほうが安全です。
働きながら考える
「今は学校の話をしたくない」という状態のお子さんもいます。その場合、無理に次を決めさせる必要はありません。
アルバイトなどで社会と接点を持ちながら、時間を置くのも選択肢です。通信制の編入は後からでもできます(N高の場合、入学の機会は年4回あります)。
ただ、就職の選択肢の広さでは高卒資格の有無が影響します。中退後の就職・進学の実情は、通信制高校卒の就職・進学の記事で別途まとめています。
「転入」と「編入」の違い|辞めたかどうかで条件が変わる

ここは手続きとお金の両方に関わる、大事な言葉の整理です。
| 状況 | N高ネットコースの入学時期 | 就学支援金の「先引き」 | |
|---|---|---|---|
| 転入 | 今の高校に在籍したまま移る | 毎月1日(随時) | 対象外 |
| 編入 | 退学したあとに入り直す | 4月・7月・10月・1月の年4回 | 対象外 |
| 新入学 | 中学卒業後に入学 | 4月(ネットコースは年4回) | 対象 |
(出典:通信制高校への編入・転入の単位と時期は?|N高公式コラム、2027年度生徒募集要項)
ポイントは2つです。
1つめは入学時期。すでに退学している場合(編入)は年4回の入学月を待つことになります。在籍中なら転入扱いで毎月動けるので、まだ退学届を出していないなら、出す前に転入も検討してください。空白期間も生まれません。
2つめはお金。転入・編入とも、就学支援金の「先引き」という仕組みが使えません。これは次の章でくわしく説明します。
在籍中の転校(転入)を考えている方は、N高への転入の時期・手続きの記事のほうが状況に合っています。通信制高校全般の転入について、学年別にいつまで間に合うのかを整理した通信制高校への転入はいつまでできるかもあわせてどうぞ。
また、まだ在籍中で、退学するかどうかを迷っているのであれば、退学届を出す前に高校が合わない・辞めたいと言われたときの考え方を読んでみてください。辞めてからでは選べなくなる道があるので、順番として先に目を通しておく価値があります。
N高に編入する場合の流れと学費|「先引き対象外」に注意
ここからは、通信制最大手のN高等学校(角川ドワンゴ学園)に編入する場合を具体的に見ていきます。
編入の流れ
- 資料請求・学校説明会で情報収集
- 前の高校から成績証明書などを取り寄せる
- Web出願(入学希望月から逆算して早めに)
- 書類選考など
- 入学(ネットコースは4月・7月・10月・1月)
前の高校の書類は、出身校に依頼してから発行まで日数がかかることがあります。編入を考え始めたら、証明書の取り寄せだけは先に動くのがおすすめです。
学費の基本(ネットコース・普通科の場合)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入学金 | 10,000円 |
| 授業料(普通科) | 1単位 12,000円(25単位で300,000円) |
| 教育関連諸費 | 年間 13,000円 |
| 施設設備費 | 年間 50,000円 |
(出典:N高等学校・S高等学校・R高等学校 2027年度生徒募集要項)
実は、N高の公式サイトのコース紹介ページに金額の一覧は載っていません。正確な数字は募集要項で確認する形になっています。
編入は就学支援金の「先引き」が使えない
ここが、この記事でいちばん伝えたい注意点です。
N高には、国の就学支援金の支給見込額をあらかじめ学費から差し引いて請求する「先引き」という仕組みがあります。新入学なら、ネットコース1年次の実質負担は73,000円まで下がります。
ところが募集要項には、先引きの適用対象外として「編入学、転入学の方」が明記されています。
つまり編入の場合、初年度はいったん学費を満額で支払います。25単位履修なら、入学金・諸費・施設設備費と合わせて約37万円です。
誤解しないでいただきたいのは、就学支援金そのものがもらえないわけではないという点です。支給要件を満たせばあとから支給されるので、損をするのではなく「立て替え」になります。それでも、先引き前提の予算だと初年度に約30万円の差が出ます。ここは事前に知っておいてください。
3年間の総額はいくらになるか
先引きなしの場合の、ネットコース3年間の学費総額(募集要項ベース)はこうなります。
| コース | 3年間の学費総額(先引きなし) |
|---|---|
| ネットコース・普通科 | 1,099,000円 |
| ネットコース・普通科ベーシック | 739,000円 |
| (参考)新入学で先引きを使った場合 | 199,000円 |
普通科ベーシックは授業料が1単位7,200円と安く設定されたコースです。金額だけで飛びつかず、学び方の違いを資料で確認してから選んでください。
くり返しになりますが、この総額は「立て替え」を含んだ数字です。就学支援金が支給されれば、実際の負担はここから支給額のぶん軽くなります。
もう1点、キャンパスに通う「通学コース」を希望する場合の注意です。通学コースの学費(週5リアル通学で初年度合計1,028,000円)は就学支援金の対象外で、別途MacBook Air(約16万円)の用意も必要です。ネットコースとは資金計画がまったく変わります。
就学支援金の仕組みやコース別の学費比較は、N高の学費の記事でくわしく解説しています。
なお、支援金の支給額は世帯年収などで変わります。自分の家庭がいくら支給されるかは、資料請求や学校説明会で確認するのが確実です。
※編入は年4回。次の入学月から逆算して、情報だけ先に手元に。
卒業はいつになる?|単位と在籍期間の考え方
「同級生と同じタイミングで卒業できるのか」。ここも気になるところだと思います。
前の高校の単位・在籍期間は「加味される場合がある」
N高の公式コラムでは、編入の場合も前の高校での修得単位や在籍期間が加味される場合があるとされています。
ただし、どこまで引き継げるかは個別判断です。特に注意したいのは次の2点です。
- 高校の単位の多くは学年末に確定する。学年の途中で退学した場合、その年度の単位は取れていないことが多い
- 中退から編入までの空白期間は在籍期間に含まれないため、その分だけ卒業が後ろにずれる可能性がある
正確な卒業時期は「個別回答」でしか分からない
お子さんの修得単位数・退学時期によって、卒業見込みは一人ひとり変わります。ここは一般論で断定できません。
成績証明書を手元に用意して、「この状態で編入した場合、卒業はいつになりますか」と学校に直接確認してください。募集要項と学校説明会が、いちばん正確な答えをくれる場所です。
1つ安心材料を添えると、通信制は単位制なので「留年」という概念がありません。取れた単位は積み上がっていきます。仮に卒業が半年〜1年ずれても、やり直しの価値がなくなるわけではありません。
中退したその後|就職・大学受験・専門学校はどうなる?
「高校 中退 その後」「就職」「大学受験」は、あわせて月に2,000件以上検索されています。一番気になるところなので、はっきり書きます。
| 進路 | 中退したままだと | 道を開く方法 |
|---|---|---|
| 就職 | 最終学歴は「中学卒業」。「高卒以上」が条件の求人には応募できない | 通信制で高校を卒業する/高卒認定に合格する |
| 大学受験 | そのままでは受験資格がない | 高卒認定に合格するか、高校を卒業すれば受験できる |
| 専門学校 | 多くは高校卒業などが入学の条件 | 高卒認定または高校卒業 |
いちばん大きいのは「高卒以上」が条件の仕事に応募できないことです。中退したあとに、高卒資格(または高卒認定)を取り直すかどうかが、その後を大きく左右します。
ただし、ここはやり直しがきくところです。通信制高校への編入なら、前の高校の単位や在籍期間が認められる場合があり、ゼロからにはなりません。高卒認定との違いはN高と高卒認定はどっち?で比較しています。
大学受験を考えている場合
高卒認定に合格すれば、大学・短大・専門学校の受験資格が得られます。通信制高校を卒業する道なら、調査書が出るので、総合型選抜や推薦も使えるのが違いです。大学進学の準備は通信制高校から大学進学はできる?で学年別にまとめました。
中退したら、履歴書にはどう書く?
「高校 中退 履歴書」は月に約1,000件、「書き方」も約590件検索されています。
| 年月 | 学歴欄の書き方(例) |
|---|---|
| ○○年4月 | ◯◯高等学校 入学 |
| ○○年3月 | ◯◯高等学校 中途退学 |
| ○○年4月 | △△高等学校(通信制課程)編入学 |
| ○○年3月 | △△高等学校(通信制課程)卒業 |
「中途退学」と書いたうえで、その後の編入・卒業をきちんと書くのが基本です。通信制の書き方は通信制高校の履歴書の書き方にまとめています。
親ができるサポート|「決めさせる」より「並べて見せる」
最後に、親の側でできることを整理します。
1. 責めない・原因探しをしすぎない
中退の理由はお子さんごとに違い、本人がいちばん分かっています。「なぜ辞めたのか」を掘り下げるより、「ここからどうするか」に会話の軸を移すほうが前に進みます。
2. 情報集めは親が、決定は本人が
資料請求や学費の計算のような事務作業は、親が代わりにできます。一方で「どの道を選ぶか」は本人の意思に委ねたほうが、入学後の続きやすさが違います。
選択肢を紙やパンフレットの形で食卓に置いておき、本人が手に取るのを待つ。遠回りに見えて、これが確実です。
3. お金の準備だけは先に始める
この記事で見たとおり、編入は先引きが使えないため、初年度に約37万円(25単位の場合)の準備が要ります。あとから支援金が入るとはいえ、立て替えの現金は必要です。
本人の気持ちが固まってから慌てないように、お金と書類(成績証明書)の段取りは親が先回りしておきましょう。
4. 期限だけはカレンダーに入れておく
「急がなくていい」と書きましたが、期限を知らないまま待つのと、知ったうえで待つのは別ものです。
N高のネットコースなら、編入のチャンスは4月・7月・10月・1月の年4回。出願はそれぞれの入学月から逆算して、約1ヶ月前が目安です。
つまり「次の入学月に間に合わせたい」と思った時点で、残り時間は意外と短いことがあります。逆に1回見送っても、3ヶ月後にまた機会が来ます。
直近の入学月と出願締切だけカレンダーに入れておけば、「本人がその気になったのに枠がなかった」という事態を避けられます。焦らせるためではなく、待つための備えです。
「高校を卒業する」以外の道も気になる方へ。高卒認定(高認)は高校卒業とは別の資格です。何がどう違うのかはN高と高卒認定の違いで整理しました。また、通信制と全日制で本当に変わるのは時間の使い方です。通信制と全日制の違いもあわせてどうぞ。
すでに退学している場合は「編入」になり、条件が変わります。N高では編入の最終締切が2027年2月9日で、転入(3月16日)より1か月以上早く締め切られます。就学支援金の先引きも使えません。詳しくは通信制高校の編入はいつまで?をご覧ください。
高校中退後のやり直しでよくある質問
高校中退は何人くらいいますか?
文部科学省の資料では、令和4年度の高校の中途退学者数は43,401人、中途退学率は1.4%でした。理由でいちばん多いのは「進路変更」で43.9%です。
中退したまま就職できますか?
できますが、最終学歴は中学卒業となり、「高卒以上」が条件の求人には応募できません。通信制高校で卒業するか、高卒認定に合格すると、応募できる仕事の幅が広がります。
中退してから時間が空いていても、編入できますか?
N高の編入に「中退から何年以内」という条件は募集要項に書かれていません。社会人経験を経てから入り直す道も制度上は開かれています。
ただし、就学支援金には高校の在籍月数の通算などの支給条件があります。空白期間が長いケースや過去の在籍が長いケースは、支援金がいくら出るかを学校や説明会で個別に確認してください。
就学支援金は編入だともらえないのですか?
もらえます。編入で使えないのは、支給見込額を先に学費から差し引く「先引き」という支払い方だけです。
支給要件を満たしていれば、就学支援金そのものはあとから支給されます。違いは「先に割引されるか、いったん立て替えるか」です。
中退の経歴は、この先ずっと不利になりますか?
履歴書の学歴欄には、入学・退学・編入の事実をそのまま書くのが一般的です。中退の記録が消えるわけではありません。
ただ、通信制を卒業すれば最終学歴は「高卒」になり、大学・専門学校への進学も就職も、そこから積み上げられます。「中退で終わったか、その後に卒業したか」で見え方は大きく変わります。
高認と通信制、結局どちらを選べばいいですか?
判断の軸は「進学の意思が固まっているか」です。
- 大学・専門学校に行くと決めている → 高認が最短ルートになり得る
- 進路がまだ決まっていない → 高卒資格そのものが残る通信制が安全
高認は合格しても、進学しなければ最終学歴が中卒のままになる点だけは忘れないでください。迷う段階なら、両方の資料を並べて本人と話すのが現実的です。
なお、高認の受験勉強やブランク後の学び直しに不安がある場合は、不登校・中退の人に特化した完全1対1の個別指導塾「キズキ共育塾」という選択肢もあります(実績14年・卒業生1万人)。無料面談で、いまの学力の状態からどう進めるかを相談できます。塾に通うかどうかも含めて、まず現状を整理する場として使えます。
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まとめ|急がなくていい。ただし情報は今日から集められる
\ この記事の要点 /
- 中退後の道は編入・高認・働きながら考えるの3つ。どれも正規ルート
- 通信制卒の高卒資格は全日制と同じ
- N高ネットコースへの編入は年4回(4月・7月・10月・1月)
- 編入は先引き対象外。初年度約37万円の立て替えを見込む(支援金はあとから支給)
- 卒業時期は個別判断。成績証明書を持って学校に確認
高校中退は、人生の終わりではなく進路変更です。実際、編入という制度が用意されていること自体が、「やり直す人が大勢いる」ことの証拠です。
【今夜できる一歩】やり直しの道は逃げません。今夜は選択肢を1つメモするだけでも前進です。
お子さんの気持ちが固まるのを待つ間に、親ができる最初の一歩は情報集めです。資料請求は無料で、入学の申し込みではありません。手元に選択肢を用意しておくところから始めてください。
※本人の意思が固まる前でも、親だけで取り寄せて大丈夫です。
