「クラーク記念国際高等学校 偏差値」。検索窓にそう打ち込んだのは、お子さんの進路候補にクラークが挙がったからではないでしょうか。通信制高校に偏差値という考え方があるのか、そもそも入試で何をするのか。調べ始めると、意外と輪郭がつかめませんよね。
私も子を持つ親です。募集要項と公式サイトを一つずつ突き合わせて確認しました。先に結論を書きます。
クラークの公式情報に偏差値の数字はありません。ただしクラークには「基礎学力試験」があります。学力試験のない通信制高校が多いなかで、ここは大きな違いです。
とはいえ、身構えないでください。公式の募集要項は冒頭で「今までの成績や登校状況は問いません。これからの意欲のある人を待っています」とはっきり書いています。試験があることと、難しいことは別の話です。
怖いのは試験そのものではなく、「通信制だから試験はないだろう」と思い込んだまま出願時期を迎えることです。何が問われるのかを先に知っておけば、準備できます。この記事では、東京キャンパスの2027年度募集要項を軸に、入試の中身だけを深掘りします。
なお、入試の段取りを比べるうえで、手続きの流れがまったく違う通信制高校の資料も1部あると判断しやすくなります。生徒数最大級のN高等学校の募集要項を横に置いておくと、クラークの手順の重さ・軽さが具体的に見えてきます。
結論|偏差値は非公表。ただし「学力試験あり」は他の通信制と大きく違う
まず、偏差値の話から片づけます。
クラーク記念国際高等学校の公式サイト・募集要項に、偏差値の数字は掲載されていません。合格ラインを示す点数も、倍率も出ていません(2026年8月確認)。
これは不誠実というより、通信制高校の性格上そうなりやすい、という話です。偏差値は「同じ模試を受けた集団の中での位置」を表す数字なので、全日制のように毎年決まった学力層が一斉に受験する前提がないと成立しません。通信制高校は入学の時期も背景も生徒によってばらばらです。
そのため、第三者サイトに「クラークの偏差値は〇〇」と書かれていても、その数字の出どころは公式ではありません。この記事では、公式に確認できない数字は扱わない方針です。
ここまでは、多くの通信制高校と同じです。問題は次からです。
「偏差値なし=試験なし」ではない
通信制高校を調べていると、「学力試験はなく、面接と作文だけ」という学校によく出会います。だから多くの親御さんは、通信制=ペーパーテストはない、と考えます。私も最初はそう思っていました。
ところがクラークは違います。募集要項の選考方法に「基礎学力試験」が明記されています。推薦入試でも、自己推薦入試でも、一般入試でも、作文とあわせて学力試験が課されます。転入学・編入学でも学科試験があります。
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい点です。試験の難易度の話ではありません。「あると知らずに当日を迎える」ことが不利になる、という段取りの話です。
逆に言えば、知ってさえいれば対応できます。公式のよくある質問でも、出題範囲は中学校の基礎が中心だと説明されています。中学3年間の復習を、受験前に一度ざっと通しておく。やることはそれだけです。
そもそも通信制高校の入試がどう進むのかを先に押さえておきたい方は、通信制高校の入試の基本(面接で聞かれること・作文の対策)をあわせてご覧ください。
出典:クラーク記念国際高等学校 公式サイト「入試情報」/同「よくあるご質問」(2026年8月確認)
【他校と違う点】クラークには基礎学力試験がある
では、具体的に何が課されるのか。東京キャンパスの2027年度募集要項をもとに、入試区分ごとに整理します。
先に大事な注意を1つ。クラークは全国にキャンパスがあり、試験日や定員はキャンパスごとに異なります。以下は東京キャンパスの内容です。志望するキャンパスの募集要項を必ずご自身で確認してください。
| 入試区分 | 選考科目 | 学力試験の教科数 |
|---|---|---|
| 推薦入試 | 作文+基礎学力試験 | 国語・数学・英語から1教科選択(30分・100点) |
| 自己推薦入試 | 面接(保護者同席)+作文+基礎学力試験 | 3教科から1教科選択 |
| 一般入試(1月・専願) | 面接(保護者同席)+作文+学力試験 | 3教科から1教科選択 |
| 一般入試(1月・併願) | 面接(保護者同席)+作文+学力試験 | 3教科(国・数・英) |
| 一般入試(2月・3月) | 面接(保護者同席)+作文+学力試験 | 3教科(国・数・英) |
| 転入学・編入学 | 学科試験+作文+面接 | 国・数・英を各30分 |
表を見ると、負担の差がはっきりします。推薦・自己推薦・1月の専願は1教科選択。1月の併願と2月・3月の一般入試は3教科。同じ学校の入試でも、選ぶ区分で準備量が変わります。
推薦入試|作文と1教科。選考科目に面接の記載はない
推薦入試の選考は、作文と基礎学力試験です。作文は400字以上・30分。基礎学力試験は国語・数学・英語の3教科から1教科を選び、30分・100点で受けます。
ここは正確に書きます。推薦入試の選考科目表に、面接の記載はありません。だからといって「面接が一切ない」と断定はしません。書かれていないことを「ない」と読むのは危険だからです。
ただし推薦入試には、後の章で扱う「事前相談」という別の手続きがあります。中学校で保護者・担任・クラーク職員を交えた面談を経て出願する流れなので、人物を見る機会は入試当日の前にすでに設けられている、と理解するのが自然です。
自己推薦入試|面接は保護者同席・20分程度
自己推薦入試は、面接・作文・基礎学力試験の3つです。学力試験は推薦と同じく3教科から1教科選択。
特徴は面接です。保護者同席の個別面接で、20分程度と示されています。お子さんだけが呼ばれて緊張する形式ではありません。親御さんも同じ部屋にいます。
そして公式は、自己推薦入試について「面接重視で人物本位の入試を行います」と明記しています。点数だけで並べる入試ではない、と学校自身が言っているわけです。
なお、面接で何を聞かれるかについては、公式に質問例の掲載がありません。この記事では、それらしい質問例を創作して載せることはしません。想像で作られた質問リストを暗記するより、次の章で扱う「作文のテーマ」を親子で話しておくほうが、はるかに実になります。
一般入試|受け方によって1教科にも3教科にもなる
一般入試は、面接(保護者同席)・作文・学力試験の3点セットです。教科数が区分で変わるのがポイントで、1月の専願は1教科選択、1月の併願は3教科、2月・3月は3教科となっています。
ここは親御さんにとって実務的に大事なところです。他校との併願を考えている場合と、クラーク一本の場合とで、準備すべき教科数が変わります。「とりあえず一般で」と考えていると、気づかないまま3教科の準備が必要になっていた、ということが起こり得ます。
転入学・編入学|学科試験はあるが「面接に重点をおいた人物本位」
すでに高校に在籍しているお子さん(転入学)や、一度退学したお子さん(編入学)の場合も、試験はあります。国語・数学・英語の学科試験が各30分、そして作文と面接です。
3教科と聞くと構えてしまうかもしれませんが、公式は転入学・編入学のページで「面接に重点をおいた人物本位の入学試験」と明記しています。学科試験の点数だけで判断する設計ではない、という説明です。
前の学校がつらくて転校を考えているご家庭ほど、「テストがある」の一言で気持ちが折れやすいものです。試験の存在と、その位置づけ。この2つはセットで受け取ってください。
公式FAQ「入試試験は難しいのですか?」への回答
難易度については、公式のよくある質問がそのまま答えになっています。「入試試験は難しいのですか?」という問いに対し、中学校の基礎を中心にして幅広く出題される、事前に今まで学んだことを復習しておきましょう、という趣旨の回答が示されています。
この一文から読み取れることは2つです。1つ、応用問題や特別な対策が必要な入試ではない。2つ、それでも「復習しておきましょう」と学校が言っている以上、まったくの無準備は想定されていない。
だから結論はこうなります。過度に身構える必要はありませんが、中学の基礎の復習はしておく。「難関だから塾へ」でも「通信制だから何もしなくていい」でもない、その真ん中が実態です。
出典:クラーク記念国際高等学校 公式サイト「よくあるご質問」/同「転入学・編入学」(2026年8月確認)
作文のテーマは公開されている|親子で事前に話しておける
入試対策として、いちばん手をつけやすいのが作文です。理由は単純で、テーマが事前に公開されているからです。
東京キャンパスの募集要項では、作文は次の3つのテーマから1つを選ぶ形式と示されています。
- クラークで挑戦したいこと
- 最近のニュースで関心を持ったもの
- これまで頑張ってきたこと
字数は400字以上、時間は30分です。
テーマが分かっているということは、当日その場で考える必要がない、ということです。これは大きなアドバンテージになります。
3つのテーマは、そのまま親子の会話になる
親御さんにおすすめしたいのは、この3つを「作文の練習」ではなく「食卓の話題」として扱うことです。
たとえば1番。クラークで挑戦したいこと。これはパンフレットを一緒に眺めながら、「どのコースが気になった?」「この行事、行ってみたい?」と話すだけで材料が集まります。志望動機を無理にひねり出すのではなく、本人が実際に反応した部分を拾えばいいのです。
2番のニュースは、家でテレビや動画を見ているときに「これどう思う?」と一言添えるだけで練習になります。政治や事件のような重い話題である必要はありません。スポーツでも科学でも、本人が興味を持てるものが一番です。
3番の「これまで頑張ってきたこと」は、少し注意が要ります。不登校や中退を経験したお子さんは、この問いに詰まりやすいからです。「頑張ってこなかった」と思い込んでいる子もいます。
そういうときこそ親の出番です。本人が忘れている小さな継続を、親は覚えています。毎日欠かさなかったゲームの目標でも、家の手伝いでも、通えなかった時期に自分なりに続けていたことでも構いません。書けるものが1つ見つかるだけで、当日の不安がかなり減ります。
そして、3つのうち1つを選べばいいという点も覚えておいてください。全部準備する必要はありません。書きやすい1つに絞って、400字を一度でも書き切っておく。時間を計って1回。これで十分です。
【必須】出願前に学校説明会への参加が条件になっている
ここからは、試験より先にやるべき手続きの話です。むしろこちらのほうが、スケジュール的には重要かもしれません。
東京キャンパスの募集要項には、出願条件として「出願前に学校説明会に必ず本人と保護者が参加し、個別面談を受けること」と明記されています。
「必ず」「本人と保護者」。この2つの言葉が重いです。説明会は任意参加のイベントではなく、出願の前提条件です。しかも、親だけが行っても、子だけが行っても条件を満たしません。
お子さんが今、外出が難しい状態にある場合、ここが最初のハードルになります。願書を出す前の段階で、本人がキャンパスに足を運ぶ必要があるからです。難しそうであれば、その状況をキャンパスに率直に相談することから始めてください。
推薦・自己推薦は「事前相談」=中学校での4者面談が必要
さらに、推薦入試と自己推薦入試を受ける場合は、もう1段階あります。「事前相談」です。
これは在籍中学校でおこなわれる面談で、参加するのは受験生・保護者・中学校の担任・クラークの職員の4者。つまり、中学校を巻き込んだ手続きになります。
ということは、担任の先生との日程調整が発生するということです。学校行事や三者面談の時期と重なれば、思うようにスケジュールが取れないこともあります。夏休み明けの先生は、想像以上に忙しいものです。
事前相談の開始日はキャンパスで違う。夏から動く前提で
事前相談の開始日も、キャンパスによって異なります。公式サイトで確認できる例を挙げます。
- 東京キャンパス:2026年9月1日から
- CLARK SMART 横浜:2026年8月3日から
1カ月近い差があります。志望キャンパスによっては、夏休みのうちに動き出す必要があるということです。
親御さんの実務としては、逆算するとこうなります。まず学校説明会に本人と一緒に参加して個別面談を受ける。推薦・自己推薦なら中学校の担任に相談して4者面談を設定する。そのうえで願書を出す。この3ステップを、11月の推薦入試までに終える必要があります。
「秋になったら考えよう」では間に合わない可能性がある。これが、クラークの入試でいちばん見落とされやすい点だと私は感じました。学力試験より、この段取りのほうが実は重いのです。
出典:クラーク記念国際高等学校 東京キャンパス「受験生の方へ」/CLARK SMART 横浜「受験生の方へ」(2026年8月確認)
落ちることはあるのか|公式で確認できること・できないこと
親御さんがいちばん知りたいのは、たぶんここでしょう。試験があるなら、落ちることもあるのか。
正直に書きます。倍率・合格最低点・不合格になる条件は、公式には掲載されていません。だから「落ちる確率は◯%」という数字は、この記事では出せません。出している他サイトがあっても、公式の裏付けはないと考えてください。
そのうえで、公式から確認できる事実だけを並べます。
定員は明示されている
募集人員は公表されています。東京キャンパスの普通科は、週5日通学185名/オンライン通学40名/美術デザインコース40名。CLARK SMART 横浜は150名です(2027年度・各キャンパス募集要項)。
定員があるということは、無制限に受け入れる仕組みではない、ということです。実際、公式には次のような記載があります。
- 定員に達した場合は、次回以降の入試を実施しない場合があります
- 定員に達した場合は、志望できないことがあります
読み方はこうです。落ちる・落ちないの前に、「そもそも受けられなくなる」可能性がある。遅い時期の入試を当てにしていると、募集自体が終わっていることがあり得ます。
合否は郵送のみ。電話での問い合わせは不可
合格発表の方法も明記されています。郵送のみで、電話での合否問い合わせには応じないとされています。ウェブで即日確認、という形式ではありません。
また、出願書類に虚偽があった場合は合格を取り消す旨の規定もあります。調査書や願書の記載は正確に書いてください。
これらを総合すると、結論はこうなります。クラークの入試は、制度としては合否判定のある入試です。「出せば全員入れる」形式ではありません。同時に、それは「厳しい選抜」を意味するものでもありません。公式が示しているのは、意欲を見る入試であり、定員という枠がある、という2点だけです。
内申点と欠席日数は使われるのか|調査書は必須、でも……
不登校のお子さんを持つご家庭にとって、ここは最大の関心事だと思います。私も同じ立場なら、真っ先に確認します。
事実は2段階です。順番に書きます。
調査書の提出は必須。欠席日数を書く欄もある
まず、調査書の提出は必須です。クラーク所定の用紙のほか、公立高校用の様式でも受け付けられます(CLARK SMART 横浜では厳封されたもののみ有効との記載があります)。
そして、調査書の様式には次のような記入欄があります。
- 3年生の各教科の評定
- 学習の所見
- 性格および行動の記録
- 修学上配慮すべき事項
- 1年・2年・3年それぞれの欠席日数と欠席理由
- 健康上の留意点
つまり、成績も欠席日数も、書類としては学校に渡ります。「見られない」わけではありません。ここは隠さずお伝えします。
ただし公式は「今までの成績や登校状況は問いません」と明言
一方で、募集要項の冒頭にはこう書かれています。
今までの成績や登校状況は問いません。これからの意欲のある人を待っています。
さらに、自己推薦入試については「面接重視で人物本位の入試を行います」と明記されています。転入学・編入学のページでも「面接に重点をおいた人物本位の入学試験」と説明されています。
書類は提出するけれど、過去の成績と出席で判断はしない。学校自身がそう宣言している、というのが公式情報から言えることです。
なぜ書類は必要なのか。想像の域を出ませんが、入学後の支援に使うためだと考えるのが自然です。「修学上配慮すべき事項」「健康上の留意点」という欄があること自体が、その方向を示しています。選抜のための材料というより、受け入れ準備のための情報です。
【区別が必要】学費免除制度の判定には調査書の内容も考慮される
ここだけは、正確に切り分けて書きます。
クラークには学費免除制度があり、その判定にあたっては調査書の記載内容も考慮するという注記があります。募集定員は20名です。
大事なのは、これは合否判定とは別の話だという点です。入学できるかどうかの審査と、学費の免除を受けられるかどうかの審査は、別々に扱われています。
「調査書が見られる=合否に響く」と早合点しないでください。公式が調査書の内容を考慮すると書いているのは、あくまで免除制度の枠についてです。ここを混ぜて読むと、必要のない不安が生まれます。
出願の実務|願書は本人が窓口に持参。郵送も電話も不可
ここは、知らないと本当に困る部分です。
クラークの願書は、受験生本人がキャンパスの窓口に持参して提出します。電話・郵送での受付は一切ありません。受付時間は10:00〜12:00と14:00〜16:00です(東京キャンパス2027年度募集要項)。
ネットで完結する出願に慣れていると、ここでつまずきます。しかも「本人が」という条件付きです。平日の日中に、本人がキャンパスまで行く。この段取りを最初から予定に入れておいてください。
選抜料は20,000円です。
東京キャンパス2027年度の日程
| 入試 | 試験日 |
|---|---|
| 推薦A | 2026年11月13日 |
| 推薦B | 2026年12月11日 |
| 推薦C | 2027年1月22日 |
| 自己推薦 | 2日構成 |
| 一般A | 2027年1月22日・23日 |
| 一般B | 2027年2月19日 |
| 一般C | 2027年3月13日 |
| 一般D | 2027年3月17日 |
推薦入試の第1回が11月13日。ここから逆算すると、説明会への参加と事前相談は、遅くとも10月中には終えておきたいところです。冒頭で「夏から動く必要がある」と書いた理由が、この日程を見ると分かると思います。
併願延納制度|「併願優遇」ではないと公式が注記
一般入試には、併願延納制度があります。国公立高校(通信制を除く)または私立の全日制高校と併願する場合、第一志望校の合格発表の翌日まで入学手続き金の納入を延ばせる仕組みです。
ここに公式の注記があります。これは「併願優遇制度」ではありません。合否判定で優遇されるという意味ではなく、あくまでお金を納めるタイミングの話だ、ということです。
第二志望選択制度|1度の入試で第二志望キャンパスも受験できる
もう1つ、第二志望選択制度があります。首都圏のキャンパスでは、1度の入試で第二志望のキャンパスも受験できる仕組みです。
通学時間の兼ね合いで複数キャンパスを検討している場合には、負担を減らせる制度です。ただし対象範囲や条件はキャンパスによるので、説明会で確認してください。
コースによって入試は変わるのか|選考方法は共通
クラークにはコースが複数あります。「志望コースによって試験が変わるのでは」と気になりますよね。
結論から言うと、選考方法は全コース共通です。作文と基礎学力試験、区分によって面接、という枠組みは変わりません。
差が出るのは、提出物です。
- 美術デザインコース:出願時に提出課題があります。あわせて武蔵野学芸専門学校の願書も同時提出が必要です
- スマートスタディ(オンライン通学):選考科目は同じ。違いは提出書類の一部で、私服の写真を提出する点などが挙げられています
美術デザインコースを考えている場合は、提出課題の準備期間が別途必要になります。願書が2種類になる点も含めて、早めに要項を取り寄せてください。
また、コースは学年進級時に変更可能とされています。入学時に選んだコースで3年間固定、というわけではありません。「今の本人の状態に合うコース」で入って、様子を見ながら変える。この選択肢があることは、体調や気持ちが変わりやすい時期のお子さんには安心材料になります。
入学後の「基礎学力オールチェック」とは
入試とは別に、入学後にもう1つテストがあります。基礎学力オールチェックです。
入学時に国語・数学・英語を中心として、中学3年間の内容を分野別に診断するもの。結果は担当教員と共有され、一人ひとりの補習計画に反映される仕組みだと説明されています。
ここで正確に書いておきます。この結果でコースが決まる、という公式の記述はありません。あくまで、どの分野がつまずいているかを把握して、その子に合った補習につなげるための診断です。
不登校や体調不良で学習が止まっていたお子さんにとって、これはむしろ歓迎できる仕組みかもしれません。「中2の数学のここから抜けている」と分かれば、そこから戻れます。分からない場所が分からないまま高校の内容に進むより、ずっと現実的です。
クラークが向くお子さん・迷ったときの考え方
ここまで入試の実務を細かく見てきました。判断材料の形に整理します。クラークが向いていると言えるご家庭には、はっきり「向く」と書きます。
クラークが向いている可能性が高いケース
- 全日型の高校生活を求めているお子さん。週5日通学の枠があり、学校らしい日常を送りたい子には合います
- 手厚い個別対応を求めているご家庭。入学時の基礎学力オールチェックのように、一人ひとりの学習状況を把握する仕組みが用意されています
- 説明会や面談を通じて、人と会って納得したいタイプ。出願前に本人・保護者の面談があり、推薦なら中学校を交えた4者面談もあります。手続きは重い反面、入学前に学校と何度も接触できます
- 美術デザインなど、専門的な学びを高校段階から始めたいお子さん。提携する専門学校と組み合わせた設計があります
慎重に考えたいケース
- 今、外出が難しい状態にあるお子さん。説明会への本人参加と、願書の本人持参が出願条件に入っています
- できるだけ早く・軽い手続きで進路を決めたいご家庭。説明会→事前相談→窓口持参→試験、という段取りには時間がかかります
- 学費を抑えることが最優先のご家庭。費用については、クラークの学費と「やばい」の噂を検証した記事で詳しく扱っています
また、N高等学校とクラークで迷っている方は多いので、両校の違いはN高とクラークを比較した記事にまとめています。学び方の設計思想がかなり違う2校なので、並べて見ると判断しやすくなります。
他校の選考内容も見ておきたい方は、おおぞらと飛鳥未来の入試もそれぞれまとめています。
当サイトが比較の基準に置いているN高等学校
最後に、この記事を読んで「情報収集の段階から始めたい」と感じた方へ。
ここまで見てきたとおり、クラークの出願には、学校説明会への本人・保護者の参加、推薦なら中学校を交えた事前相談、そして願書の窓口持参が必要です。試験もあります。夏から段取りを組む前提の学校です。
これは悪いことではありません。むしろ、入学前に学校と何度も顔を合わせられる設計だとも言えます。ただし、「まず情報を集めて全体像をつかみたい」という段階には、少し重い手順であることも確かです。
そういう段階では、手続きの軽い学校の資料から見ていく方法があります。当サイトが比較の基準に置いているのは、生徒数最大級のN高等学校です。募集要項で学費や入学の流れを確認でき、資料はオンラインで取り寄せられます。N高がどんな学校かはN高とはどんな学校かをまとめた記事で解説しています。
基準が1つ手元にあると、クラークの入試の重さが「大変」ではなく「こういう性格の学校」として見えてきます。手厚く関わってくれる学校を選ぶのか、身軽に始められる学校を選ぶのか。お子さんに今必要なのはどちらか、という問いに変わるからです。
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よくある質問|親御さんから多い4つの疑問
学力試験の対策は必要ですか?
公式のよくある質問では、出題は中学校の基礎を中心に幅広く出されるとされ、事前に今まで学んだことを復習しておくよう案内されています。特別な受験勉強ではなく、中学の教科書レベルの復習が対策になります。
推薦・自己推薦・1月の専願なら、国語・数学・英語から1教科を選べます。お子さんがいちばん取り組みやすい教科を1つ決めて、そこだけ一巡しておく。現実的にはそれで十分です。
面接には親も同席するのですか?
はい。自己推薦入試と一般入試の面接は、公式に保護者同席と示されており、親子での面接試験になります。自己推薦は個別面接で20分程度です。
お子さんが一人で質問に答え続ける形式ではないので、その点は伝えてあげてください。「親も一緒に入る」と分かるだけで、当日の緊張はかなり減ります。
不登校で欠席日数が多いのですが、不利になりますか?
公式の募集要項は「今までの成績や登校状況は問いません。これからの意欲のある人を待っています」と明言しています。自己推薦入試は面接重視の人物本位、転入学・編入学も面接に重点をおいた人物本位の試験だと説明されています。
ただし調査書の提出は必須で、様式には1年・2年・3年の欠席日数と欠席理由の欄があります。書類としては学校に渡ります。数字を書き換えたくなる気持ちが出ても、正直に記載してください。出願書類に虚偽があった場合の合格取消規定があります。
この記事の日程や定員は、どのキャンパスでも同じですか?
いいえ。この記事の日程・定員・事前相談の開始日は、東京キャンパスの2027年度募集要項をもとにしています。試験日も定員もキャンパスごとに異なります。
実際、事前相談の開始日は東京キャンパスが2026年9月1日、CLARK SMART 横浜が2026年8月3日と、1カ月近い差があります。志望キャンパスの募集要項を必ずご自身で確認してください。
【今夜できる一歩】試験より先に、段取りを押さえる
最後に、この記事の要点をまとめます。
- クラークの公式情報に偏差値の数字はない。倍率・合格最低点も非公表
- ただし基礎学力試験がある。推薦・自己推薦・1月の専願は3教科から1教科選択、1月の併願と2月・3月は3教科
- 公式FAQは「中学校の基礎を中心に出題。事前に復習を」。身構える必要はないが、無準備は想定されていない
- 作文はテーマが公開済み(クラークで挑戦したいこと/最近のニュース/これまで頑張ってきたこと)。親子で先に話せる
- 出願前に本人と保護者の説明会参加が条件。推薦・自己推薦は中学校での4者面談(事前相談)も必要
- 願書は本人がキャンパス窓口に持参。郵送・電話は不可。選抜料20,000円
- 公式は「今までの成績や登校状況は問わない」と明言。ただし調査書は必須で、学費免除の判定には調査書の内容も考慮される(合否判定とは別)
- 日程・定員はキャンパスごとに違う。志望校舎の募集要項を必ず確認
調べる前、私は「通信制の入試だから、たいしたことはないだろう」と思っていました。調べたあとの感想は違います。難しいかどうかではなく、知らないと出遅れる入試だ、というのが実感です。
推薦入試の第1回は11月。そこから逆算すると、説明会も事前相談も秋のうちに済ませる必要があります。事前相談の受付が8月から始まるキャンパスもあります。この記事をお読みの今が、ちょうど動き出す時期です。
【今夜できる一歩】は3つです。1つ、志望キャンパスの募集要項を取り寄せて、説明会の日程を確認する。2つ、作文の3テーマを、今夜の食卓でお子さんに聞いてみる。3つ、比較の物差しとして、手続きの流れが違う学校の資料も1部そろえておく。
3つ目は地味ですが効きます。入試の重さも学費も、比べる相手がいて初めて「重い・軽い」が判断できるからです。N高等学校の資料請求は無料で、入学の義務もありません。
試験があると知って不安になった親御さんこそ、ここまで読み進めた時点でもう準備を始めています。あとは、動く日を今日にするだけです。お子さんに合う場所を、確かな材料で選んであげてください。
出典:クラーク記念国際高等学校 東京キャンパス「受験生の方へ」/入試情報/転入学・編入学/よくあるご質問/CLARK SMART 横浜「受験生の方へ」(いずれも2026年8月確認・東京キャンパス2027年度募集要項に基づく)
