大学入試に「情報」が入った|通信制高校で情報Ⅰをどう学ぶか、親が知っておくこと

大学入試に「情報」が入った|通信制で情報Ⅰをどう学ぶか

「大学入試に『情報』が入ったらしい」。そう聞いて、通信制高校を検討中のご家庭ほど不安になるのではないでしょうか。パソコンの授業が少なそうなイメージがあるからです。

私も子を持つ親として、文部科学省・大学入試センター・国立大学協会、そして各大学の公表資料を一つずつ確認しました。先に結論を言います。

2025年1月実施(令和7年度)の共通テストから、教科「情報」が新しく加わりました。ただし大学によって扱いはまったく違い、国立でも令和7年度入試で「情報の成績を配点しない」と公表した大学があります。そして通信制高校でも「情報Ⅰ」は必ず履修します。

この記事では、公的な一次情報で確認できたことだけを書きます。「国立は全部で情報が必須」「通信制だと情報Ⅰをやらない」という、よく流れている2つの誤解も解いていきます。入試制度はお子さんの進路に直結するので、推測は一切混ぜません。

なお、大学進学まで視野に入れて通信制高校を選ぶなら、「情報Ⅰの授業がどう行われるか」を学校ごとに確認する必要があります。比較の物差しとして、生徒数最大級のN高等学校の資料を先に取り寄せておくと、質問すべきポイントが具体的になります。

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目次

結論|「情報」は入試科目になった。ただし重みは大学ごとに違う

調べて分かったことを、先に3行でまとめます。

先に結論
  1. 共通テストに教科「情報」が新設された。令和7年度(2025年1月実施)から。出題科目は『情報Ⅰ』、試験時間60分・配点100点
  2. 国立でも扱いは大学ごとに違う。国立大学協会の方針はあくまで「原則」で、令和7年度入試では配点しない大学・負担軽減策を取る大学があった
  3. 通信制高校でも情報Ⅰは必ず履修する。学習指導要領は全日制・定時制・通信制を通じて適用されるため

お気づきでしょうか。①と③は「決まっていること」ですが、②は「大学ごとに調べないと分からないこと」です。ここを混ぜて考えると、必要以上に不安になります。

だからこの記事は、「制度として決まっていること」と「志望校ごとに確認すること」を分けてお伝えします。前者は覚えてしまえば終わり。後者は募集要項を見るしかありません。

そしてもう1つ、大事な前置きがあります。入試制度の情報はネット上に古いものが大量に残っています。この記事でもすべての事実に年度を併記しますので、読むときは必ず「これは何年度の話か」をセットで押さえてください。

そもそも「情報Ⅰ」とは|2022年度入学生から必履修になった科目

入試の話に入る前に、科目そのものを整理します。ここを押さえておくと、あとの話が全部つながります。

必履修は「情報Ⅰ」、選択科目が「情報Ⅱ」

平成30年(2018年)3月に告示された高等学校学習指導要領で、共通教科「情報」は次のように再編されました。

  • 必履修科目「情報Ⅰ」(標準2単位)
  • 選択科目「情報Ⅱ」(標準2単位)

ポイントは2つです。1つ、すべての高校生が「情報Ⅰ」を学ぶこと。2つ、「情報Ⅱ」は必履修ではないこと。ここは混同されやすいので、はっきり分けて覚えてください。

適用時期も大事です。この学習指導要領は令和4年度(2022年4月)に高校1年に入学した生徒から、年次進行で適用されました。つまり今の高校生は全員、情報Ⅰを学ぶ課程にいます。

情報Ⅰの中身は4つの領域。プログラミングはそのうちの1つ

「情報」と聞くとプログラミングを思い浮かべる方が多いのですが、情報Ⅰの内容は次の4領域で構成されています。

  1. 情報社会の問題解決
  2. コミュニケーションと情報デザイン
  3. コンピュータとプログラミング
  4. 情報通信ネットワークとデータの活用

見ていただくと分かる通り、プログラミングは4つのうちの1つです。著作権や個人情報といった情報社会のルール、伝わるデザインの考え方、ネットワークの仕組み、データの読み取り。むしろ「情報とどう付き合うか」を広く扱う科目だと考えたほうが実態に近いです。

4つの領域を、親御さん向けに言い換えてみます。①は情報社会で起きる問題をどう解決するかという話。②は情報をどう伝えるか、受け取る側にどう届くかという話。③がいわゆるプログラミングやアルゴリズムの話。④はネットワークの仕組みと、データを集めて読み解く話です。

こうして並べると、パソコンが得意かどうかだけで決まる科目ではないことが見えてきます。文章を読んで筋道を追う力や、表やグラフから読み取る力が効いてくる領域も含まれているからです。「うちの子は機械が苦手だから不利」と決めつけるのは早すぎます。

ここを誤解していると、学校選びの質問がずれます。「プログラミングの授業がありますか」と聞いても、情報Ⅰの学習量は分かりません。聞くべきは「情報Ⅰの授業をどう進めていますか」です。

身近なたとえで言えば、情報Ⅰは「車の免許の学科」に近い科目です。エンジンの仕組み(プログラミング)も学びますが、交通ルールや標識の読み方(情報社会・情報デザイン)のほうが分量としては大きい。運転技術そのものを競う科目ではありません。

出典:文部科学省「高等学校情報科『情報Ⅰ』について」(2026年8月確認)

共通テストでの扱い|令和7年度から新設・『情報Ⅰ』60分100点

次に、入試本体の話です。ここが今回いちばん大きな変化でした。

2025年1月の共通テストから、教科「情報」が加わった

令和7年度(2025年1月実施)の大学入学共通テストから、教科「情報」が新設されました。出題科目は『情報Ⅰ』。試験時間60分・配点100点です。

これがどれくらいの出来事だったのか。国立大学協会の文書には、「大学入試センター試験を含め初の教科の追加」と明記されています。センター試験の時代から数えても、教科がまるごと1つ増えるのは初めてだったということです。

大人世代が受験したときには存在しなかった教科です。だから親御さんが「知らなかった」のは当然で、恥ずかしいことでも遅れでもありません。むしろ今この記事を読んでいる時点で、情報の面では先を行っています。

令和8年度・令和9年度も出題科目は『情報Ⅰ』

「1年だけの試験導入なのでは」と思う方もいるかもしれませんが、そうではありません。公表資料で確認できる範囲では、令和8年度(2026年1月実施)・令和9年度(2027年1月実施)の共通テストでも、出題科目は『情報Ⅰ』(60分・100点)です。

つまり、これから高校に入るお子さんにとって「情報」は、あって当たり前の入試科目になります。国語・数学・英語と並ぶ選択肢の1つとして、最初から計算に入れておく前提です。

ただし——ここからが本題です。共通テストに「情報」があることと、志望校がその点数をどう使うかは別の話です。次の章で、そこを詳しく見ていきます。

出典:大学入試センター 公表資料(PDF)文部科学省 公表資料(PDF)(いずれも2026年8月確認)

【誤解を解く】国立でも「情報」の扱いは同じではない

ネット上でよく見かけるのが「国立は全部で情報が必須になった」という説明です。これは正確ではありません。

国立大学協会の方針は「原則」と書かれている

出発点になっているのは、国立大学協会が令和4年1月28日に示した基本方針です。そこにはこう書かれています。

2024年度に実施する入学者選抜(=令和7年度入試/2025年1月の共通テストを使う入試)から、全ての国立大学は、「一般選抜」においては原則としてこれまでの「5教科7科目」に「情報」を加えた6教科8科目を課す——。

大事なのは「原則として」という一語です。原則があるということは、例外的な扱いもあり得るということ。実際、同じ方針の中には「活用の方法等について、各大学はホームページを活用して公表する」という趣旨の記載もあります。扱いが大学ごとに違うことが、最初から前提になっているのです。

実際の大学の扱い(すべて令和7年度入試の公表資料)

では、実際の大学はどう公表していたのか。公的資料で確認できた例を並べます。

大学・団体「情報」の扱い(令和7年度入試の資料)
国立大学協会原則として6教科8科目(5教科7科目+情報)を課す、という基本方針
北海道大学共通テストの情報の成績は配点しない。成績同点者がいる場合の順位決定に活用する
筑波大学情報の配点について、受験者全員に対する配慮として、例えば前もって加点するといった負担軽減策を講じる
広島大学一般選抜(前期)の全募集単位で「情報」を課すと予告
千葉大学一般選抜の配点表に「情報」の欄がある

※上記はいずれも令和7年度(2025年1月実施の共通テストを使う)入試の公表資料に基づく内容です。令和8年度以降も同じ扱いとは限りません。必ず志望校の最新の募集要項・入試情報でご確認ください。

表を見て、驚かれたのではないでしょうか。同じ「国立大学」でも、配点しない大学から全募集単位で課す大学まで幅があるのです。「国立は全部で情報が必須」という一言では、まったく実態を表せません。

親御さんが取るべき行動は1つだけです。志望校の名前が決まったら、その大学の最新の募集要項で「情報」の扱いを直接確認する。まとめサイトの表ではなく、大学の公式ページです。年度が変われば方針も変わり得ます。

出典:北海道大学 令和7年度入学者選抜 公表資料(PDF)筑波大学 令和7年度入試 予告(第2報・PDF)(いずれも2026年8月確認)

筑波大学が挙げた理由に注目|大学側も「学校差」を認識している

ここで、通信制高校を検討している親御さんに、どうしても知ってほしい一文があります。

筑波大学が負担軽減策を講じる理由として挙げたのが、「情報教育の実施体制に地域間や学校間で大きな差があること」でした(令和7年度入試予告 第2報)。

読み方を整理します。これは、大学側が「情報Ⅰをどれだけ学べるかは、学校によって差がある」と公式に認識しているという意味です。しかもその差を、受験生本人の責任ではなく「配慮すべきこと」として扱っています。

通信制高校を検討していると、「うちの子だけ不利になるのでは」という不安が湧きますよね。私も同じ立場なら思います。ですが少なくとも、学校ごとの環境差は大学の側でも織り込み済みの論点であって、通信制だから初めて生じる問題ではありません。全日制でも、情報の授業体制は学校によって差があるということです。

ただし、これを「じゃあ心配いらない」と受け取るのは早すぎます。負担軽減策を取っているのは、あくまでその大学のその年度の話です。どちらの扱いが多数派かを示す公的な集計は確認できませんでした。「学校差は大学も認識している。でも自分の子の学習量は自分で確保するしかない」——ここが正しい着地点です。

だからこそ、次章以降の「学校ごとに何を確認するか」が意味を持ちます。

私立大学では「選択科目の一つ」として使えることがある

私立大学についても触れておきます。ただし最初に正直に書きます。私立大学全体で情報がどう扱われているかを示す公的な網羅データは、確認できませんでした。だから「私大でも主流になった」といった書き方はしません。

確認できた個別の例は次の通りです。

  • 東京情報大学:2026年度の共通テスト利用選抜で、対象教科に「『情報』の『情報Ⅰ』」を含む
  • 明治大学:2026年度入試ガイドに、「地歴・公民・数学・情報から1科目」といった選択方式があり、複数受験した場合は高得点科目を使用する扱いが示されている

この2例から言えるのは、「情報Ⅰを選択科目の一つとして使える大学がある」ということまでです。それ以上でも以下でもありません。

親御さんの実務としては、明治大学の例のような「複数科目から高得点を採用」という方式があることを知っておくと役立ちます。情報Ⅰが得意な子にとっては武器になり、苦手な子にとっては他科目で代替できる。選択方式は逃げ道にも切り札にもなるということです。

なお、私立大学は選抜方式が多く、同じ大学でも学部や方式によって使える科目が変わります。「◯◯大学は情報が使える/使えない」と大学名だけで覚えると取りこぼします。学部・方式まで含めて確認するのが安全です。

出典:東京情報大学 2026年度入学者選抜の公表資料/明治大学 2026年度入試ガイド(いずれも2026年8月確認)

いずれにせよ、私立も国立と同じ結論に行き着きます。志望校が決まったら、その大学のその年度の募集要項を見る。これに勝る方法はありません。

【誤解を解く】通信制高校でも情報Ⅰは必ず履修する

さて、この記事の中心です。「通信制だと情報Ⅰをやらないのでは」という不安について。

学習指導要領は課程を問わず適用される

結論から言います。通信制高校でも情報Ⅰは履修します。

理由はシンプルで、学習指導要領は全日制・定時制・通信制を通じて適用されるからです。卒業の要件も、74単位以上の修得と、必履修科目をすべて履修することという点は課程によって変わりません。情報Ⅰは必履修科目なので、通信制でも当然その中に入ります。

つまり「通信制だから情報Ⅰを学ばない」ということは、制度上あり得ません。ここはまず安心してください。

違うのは「単位の取り方」

通信制が全日制と違うのは、学ぶ内容ではなく単位の取り方です。通信制の学習は、大きく次の3つで構成されます。

  1. 添削指導(レポート)
  2. 面接指導(スクーリング)
  3. 試験

この3つをこなして単位が認定されます。添削回数や面接指導の時間には、教科ごとに基準が定められています(具体的な回数・時間は学校の教育課程によって示され方が異なるため、この記事では数字を書きません。学校の募集要項でご確認ください)。

ただし「演習量」には学校差が出うる

ここが、親御さんに一番伝えたい部分です。

「法令上、必ず履修する」ことと、「共通テストで戦えるレベルまで学校の授業だけで到達する」ことは、別の話です。

必履修科目である以上、どの通信制高校でも情報Ⅰの授業とレポートはあります。ですが、演習の量や踏み込みの深さは学校ごとに違って当然です。これは通信制に限った話ではなく、筑波大学が「学校間で大きな差がある」と書いた通り、全日制も含めた高校全体の話です。

だから、大学進学を視野に入れているなら、こう考えるのが現実的です。情報Ⅰの履修は学校が保証してくれる。共通テストレベルの対策は、学校の授業・課外講座・外部教材のどれで埋めるかを親子で決める。

この切り分けができていれば、学校説明会での質問がぐっと具体的になります。

出典:文部科学省 通信制高校情報発信サイト(2026年8月確認)

学校選びで確認したい3つのこと|資料請求・個別相談で聞く質問

ここまでの内容を、そのまま質問の形に変えます。資料請求のあとの個別相談や、学校説明会で使ってください。

①「情報Ⅰの授業は、どんな形で行われますか?」

聞きたいのは、レポート中心なのか、演習(実際に手を動かす時間)があるのかです。映像授業なのか、スクーリングで実習をするのか。そこまで聞けると、学習の厚みが見えます。

答えが「必履修なので当然あります」で止まってしまう場合は、もう一歩踏み込んで「レポートは何を提出しますか」「スクーリングでは何をしますか」と聞いてみてください。具体的に答えられる学校かどうかが分かります。

②「共通テストの情報Ⅰ対策は受けられますか?」

これが進学志望なら最重要の質問です。ポイントは、どこで対策するのかを切り分けて聞くこと。

  • 通常の授業の中に受験レベルの内容が入っているのか
  • 課外授業・オプション講座として用意されているのか
  • それとも外部(塾・予備校・市販教材)に任せる前提なのか

どれが正解ということはありません。大事なのは「うちはどれで埋めるのか」を入学前に把握しておくことです。ここが曖昧なまま入学すると、高3の秋に慌てることになります。課外授業がある場合は、費用が学費に含まれるのか別料金なのかも一緒に確認しましょう。

③「パソコンなどの環境は、どう用意しますか?」

見落とされがちですが、通信制はネット学習が前提の学校が多く、家庭の環境が学習の土台になります。端末は家庭で用意するのか、学校から貸与・斡旋があるのか。推奨スペックはあるのか。通信環境の条件はあるのか。

費用の話でもあるので、学費とは別に見積もっておくと安心です。「入学後に10万円の出費が発生した」という誤算を防げます。

この3つに加えて、志望校が決まっている場合はもう1つ。「その大学が情報をどう扱っているか、一緒に確認してもらえますか」と聞いてみるのも手です。進路指導の体制がどれくらい個別に効くかが分かります。

逆に、まだ志望校が決まっていない段階なら、無理に絞る必要はありません。情報Ⅰの履修そのものはどの学校でも行われるので、まずは「対策をどこで埋められる学校か」という枠だけ押さえておけば十分です。志望校が固まってから、その大学の募集要項を見て動けば間に合います。

これらの質問は、資料請求で届くパンフレットと募集要項を見ながら聞くと精度が上がります。手ぶらで電話するより、資料に線を引いてから質問するほうが、学校側も具体的に答えてくれます。

経過措置『旧情報』は令和7年度の話|古い情報に注意

ネット検索でよく引っかかる「旧情報」という言葉について、整理しておきます。

令和7年度(2025年1月実施)の共通テストでは、経過措置科目『旧情報』が用意されていました。旧課程の「社会と情報」「情報の科学」を出題範囲とするもので、旧教育課程を履修した人などのうち、希望者だけが選択できる科目です。

そして、令和8年度以降の公式資料に、経過措置科目の記載はありません。

つまり、これから高校に入学するお子さんには、この経過措置はまったく関係がありません。該当したのは旧課程で学んだ既卒生などです。

なぜわざわざ書いたかというと、検索すると「旧情報を選べる」という趣旨の解説記事が今も残っているからです。入試情報は、更新日と対象年度を必ず確認してください。この記事も含めて、です。制度の記事は書かれた時点で正しくても、翌年には古くなります。

迷ったら、大学入試センターと志望校の公式ページ。この2つに戻るのが確実です。

当サイトが基準に置くN高等学校|公式で確認できる範囲だけ書きます

当サイトでは、通信制高校を比べるときの基準としてN高等学校を置いています。ここでも、公式サイトで確認できることだけを書きます。

卒業要件と学習の流れ

N高グループは単位制の通信制高校です。公式サイトによると、卒業要件は3年間の在籍・74単位以上の修得・必修科目をすべて履修すること。必修授業はコースに関わらず全生徒が学習し、ネット学習(映像+レポート)+スクーリング+テストで構成されると説明されています。

情報Ⅰは必履修科目ですから、制度上、この必修科目の中に当然含まれます。ここは学校の宣伝ではなく、学習指導要領という制度側の根拠から言えることです(なお、「情報Ⅰ」という科目名を明示した必修科目一覧はN高の公式ページでは確認できていないため、授業の具体的な中身については断定しません)。

大学受験対策の課外授業に、情報Ⅰが受験科目として案内されている

大学受験対策については、公式サイトに課外授業の案内があります。6教科29科目ベーシック/スタンダード/ハイレベルの3段階という構成で、その注記に「情報 I は2025年度入試からの受験科目です。」と記載されています。

ここから言えるのは、「大学受験対策の課外授業のなかで、情報Ⅰが受験科目として案内されている」ということまでです。「N高なら情報Ⅰ対策も万全」とは書きません。実際に必要な演習量が足りるかどうかは、お子さんの志望校と学力によって変わるからです。

ただ、前の章で挙げた質問②(共通テストの情報Ⅰ対策をどこで埋めるか)に対して、「課外授業という選択肢が学校の中にある」ことが公式サイトで確認できるのは、比較のうえで意味のある情報です。資料を取り寄せて、講座の内容と費用を確認するところから始められます。

【注意】プログラミングの課外授業と「情報Ⅰ」は別物です

ここで混同を1つ解いておきます。N高にはプログラミングの課外授業もありますが、これはこの記事で扱ってきた必履修科目「情報Ⅰ」とは別物です。

情報Ⅰは全生徒が学ぶ必履修科目であり、共通テストの出題科目。一方のプログラミング課外授業は、興味のある生徒が追加で受ける学びです。「プログラミングの授業が充実しているから情報Ⅰも安心」という理屈は成り立ちません。別々に確認してください。

プログラミングの課外授業そのものに関心がある方は、N高のプログラミング課外授業をまとめた記事で詳しく扱っています。

出典:N高等学校 公式サイト「カリキュラム」N高等学校 公式サイト「大学受験対策」(いずれも2026年8月確認)

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あわせて読みたい|進路の判断材料をそろえる記事

情報Ⅰの話は、進路検討の一部です。全体像を組み立てるには、次の記事も役に立ちます。

よくある質問|親御さんから多い4つの疑問

通信制高校でも情報Ⅰは学べますか?

学べます。というより、必ず履修します。情報Ⅰは必履修科目で、学習指導要領は全日制・定時制・通信制を通じて適用されるからです。卒業要件(74単位以上・必履修科目をすべて履修)も課程によって変わりません。

ただし、演習量や踏み込みの深さは学校ごとに差が出うるので、そこは学校ごとに確認してください。

国立志望なら「情報」は必ず必要ですか?

国立大学協会の基本方針では「原則として」6教科8科目(5教科7科目+情報)を課すとされています。ただし「原則」であり、令和7年度入試の公表資料では、北海道大学が「情報の成績は配点しない(同点者の順位決定に活用)」と示していました

受験自体は必要でも、点数の扱いは大学ごとに違います。しかも年度によって変わり得ます。志望校の最新の募集要項で確認してください。

「情報Ⅱ」も勉強しないといけませんか?

情報Ⅱは選択科目で、必履修ではありません。また、令和7年度〜令和9年度の共通テストで出題される科目は『情報Ⅰ』です。

つまり共通テスト対策という意味では、まず情報Ⅰに集中して問題ありません。情報Ⅱは、興味があれば選ぶ科目という位置づけです。

学校の授業だけで共通テストに対応できますか?

これは学校によります、としか言えません。筑波大学が負担軽減策の理由に「情報教育の実施体制に地域間や学校間で大きな差があること」を挙げたように、学校差があることは大学側も認識しています。

だから親御さんの実務は、「学校の授業でどこまでやるか」「足りない分を課外授業や外部で埋めるか」を入学前に確認しておくことです。この記事の「学校選びで確認したい3つのこと」をそのまま質問に使ってください。

【今夜できる一歩】制度は覚え、志望校は確認する

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 令和7年度(2025年1月)の共通テストから教科「情報」が新設。出題科目は『情報Ⅰ』、60分・100点。令和8年度・令和9年度も『情報Ⅰ』
  • 「国立は全部で情報が必須」は不正確。国大協の方針は「原則」で、令和7年度入試では配点しない大学・負担軽減策を取る大学があった
  • 「通信制だから情報Ⅰをやらない」も誤り。必履修科目は課程を問わず同じ。違うのは単位の取り方(レポート+スクーリング+試験)
  • ただし演習量には学校差が出うる。共通テストレベルの対策をどこで埋めるかは、学校ごとに要確認
  • 経過措置『旧情報』は令和7年度の共通テストの話で、令和8年度以降の公式資料に記載はない。これから入学する子には無関係
  • 情報Ⅰ(必履修科目)と、プログラミングの課外授業は別物

私自身、調べる前は「情報が入試に入った」という一言だけを聞いて身構えていました。調べたあとの感想は違います。制度として決まっていることは意外と少なく、あとは志望校ごとに確認するだけでした。

そして、通信制だから不利という結論にはなりませんでした。学校差はどの課程にもあり、大学もそれを認識している。あとは、うちの子がどこでどれだけ学ぶかを親子で設計するだけです。

【今夜できる一歩】は2つです。1つ、この記事の3つの質問(情報Ⅰの授業の形/共通テスト対策の有無/パソコン環境)をメモしておく。2つ、比較の物差しになる学校の資料を1部取り寄せておく。

資料が手元にあると、学校説明会での質問がまるで変わります。「情報Ⅰはありますか」ではなく、「募集要項のこの部分について、演習はどこで行いますか」と聞けるようになるからです。

資料請求は無料で、入学の義務はありません。制度に振り回されるより、公式の情報を手元に並べるほうがずっと早い。お子さんの進路を、確かな材料で選んであげてください。

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この記事を書いた人

子どもを持つ母。わが子の進路を考える中で通信制高校を調べ始めました。学校の公式サイトと文部科学省のデータをひとつずつ確認しながら、同じように悩む親御さんが知りたいことを、分かりやすく正確にまとめていきます。

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