通信制高校で学費が安いのは?全国ランキングが役に立たない理由と、県内で探す手順

「通信制高校 学費 安い ランキング」で検索すると、全国の学校を安い順に並べた記事がたくさん出てきます。

先に結論を書きます。その全国ランキングは、ほとんどのご家庭にとって意味がありません。上位に来る学校に、そもそも入れないからです。

※注:公立の通信制高校82校のうち80校は「狭域」で、本校のある都道府県か隣接する1県までしか受け入れていません。他県からも入れる「広域」は茨城県立水戸南高等学校(福島・茨城・栃木・埼玉・千葉)と大分県立爽風館高等学校(福岡・熊本・大分)の2校だけで、これも全国が対象ではありません。出典:文部科学省「通信制高等学校情報発信サイト」詳細検索用データ(令和8年4月1日時点)を2026年9月に取得し、全384校を集計しました。

読者の声

年2万円台の学校を見つけたので、そこにしようかと思っていました。入れないんですか?

さとみ

その学校、たぶん公立です。公立の通信制は82校のうち80校が「その県か、隣の県まで」という募集なんです。だから全国で並べても、選べるのはご自宅の近くの分だけなんですよ。

先に結論
  • いちばん安いのは公立。年2〜4万円程度(実例あり)
  • ただし公立82校のうち80校が「県内+隣接1県まで」。全国ランキングは実用性がない
  • やることは1つ。お住まいの都道府県の公立を調べるところから
  • 安さだけで選ぶと、時間がかかるという別のコストが出ます
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\ 比べる物差しを1つ持つと、他校の金額も読めるようになります /

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目次

30秒でわかる|安い順に並べるとこうなる

種類年間の目安選べるか
公立2〜4万円程度住んでいる県のみ
私立(ネット中心)支援金を引いて数万円〜全国から選べる
私立(通学あり)数十万円〜全国(通学圏は限られる)
サポート校を併用学費が二重にかかる全国

いちばん下が落とし穴です。サポート校は高校ではないので、高卒資格を出す通信制高校の学費と合わせて二重にかかります。仕組みは通信制高校とサポート校の違いで解説しました。

4つの選択肢の性格
  • 公立=最安だが、住んでいる地域で選べるかが決まる
  • 私立ネット中心=全国から選べて支援金が効く
  • 私立通学あり=サポートが厚いぶん高い
  • サポート校併用=学費が二重

いちばん安いのは公立|実際の金額

公立通信制の授業料は単位ごとの受講料で計算します。金額は自治体で決まっています。

学校・自治体受講料
東京都立1単位 336円
大阪府立1単位 330円
横浜修悠館(神奈川)日曜350円/平日講座700円
北海道有朋公式の例で初年度 約4万円
大阪桃谷公式の例で年4万円程度

出典:各校・各自治体の公式サイト(2026年8〜9月確認)。年額は履修する単位数で変わります。

さらに就学支援金は公立通信制で1単位336円が支給されるため、受講料が実質無料になる場合があります。「年2〜4万円」という数字は、受講料以外(教科書・教材・スクーリングの交通費など)を含んだ実感に近い額です。

公立の学費は「1単位いくら」で決まります。だから履修する単位数で年額が変わります。ランキング記事に載っている金額が、どの単位数で計算したものかは書かれていないことが多いです。

読者の声

年2万円と年4万円の学校、どちらが安いんでしょう。

さとみ

単位数が違えば比べられません。それより、住んでいる県に公立が1〜2校しかないことのほうが大きいんです。次の章がこの記事の中心です。

【核心】それでも全国ランキングが役に立たない理由

ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。

文部科学省の実態調査によると、公立82校のうち80校(97.6%)が「狭域」です。狭域とは、本校のある都道府県、または隣接する1県までしか生徒を受け入れないという区分です。

区分受け入れる範囲公立私立
広域3つ以上の都道府県2校120校
狭域本校の県+隣接1県まで80校132校

出典:文部科学省「通信制高等学校情報発信サイト」詳細検索用データ(令和8年4月1日時点)を2026年9月に取得し、全384校を集計しました。株式会社立は15校すべてが広域です。

公立の広域は、全国で次の2校だけです。

  • 茨城県立水戸南高等学校|区域:福島・茨城・栃木・埼玉・千葉の5県
  • 大分県立爽風館高等学校|区域:福岡・熊本・大分の3県

ごらんのとおり、広域でも「全国どこからでも入れる」わけではありません。広域とは「教育を行う区域が3つ以上の都道府県にわたる」という区分にすぎず、この2校も対象は近隣の数県に限られています。関東圏・九州北部にお住まいでなければ、やはり選択肢には入りません。

出典:文部科学省「通信制高等学校情報発信サイト」詳細検索用データ(令和8年4月1日時点)の「広域・狭域の別」「通信教育を行う区域」より。2026年9月に取得して集計しました。

出典:文部科学省 通信制高等学校実態調査(2026年8月確認)。全国の通信制は333校で、内訳は公立82校・私立251校(令和7年度学校基本調査)。

つまり「全国で1番安い高校」を調べても、それが他県の公立なら選択肢になりません。安い順ランキングの上位は公立で埋まりますが、そのほとんどは自分の県以外の学校です。読んでも選べないものを比べていることになります。

逆に言えば、比べる意味があるのは「自分の県の公立」と「全国から選べる私立」の2つだけです。ここまで絞れば、比較はぐっと簡単になります。

全国ランキングが使えない理由
  • 公立82校中80校(97.6%)が狭域=県内+隣接1県まで
  • 安い順の上位はほぼ他県の公立
  • 比べる意味があるのは自分の県の公立と、全国から選べる私立だけ

やることは2つだけ

①お住まいの都道府県の公立を調べる

ほとんどの県に1〜2校あります。「(都道府県名)+通信制+県立」で探すのが早いです。県の教育委員会のサイトにも案内があります。

当サイトでは7校を個別に調べました。公立の通信制高校とはから各校の記事に行けます。

県の教育委員会のサイトは、見落とされがちですが確実です。「〇〇県 教育委員会 通信制」で探すと、県立校の一覧と入学資格が載っています。

②全国から選べる私立を1校、物差しにする

公立だけ見ていると、その金額が高いのか安いのか分かりません。全国から選べる私立を1校決めて、横に並べると判断しやすくなります。

たとえばN高等学校のネットコース普通科は、就学支援金の先引きがある場合で3年間199,000円です(2027年度生徒募集要項)。金額の読み方はN高の学費は高いのかで詳しく扱いました。

「公立の県内1〜2校」と「私立1校」。この3つを並べるだけで十分です。全国333校を比べる必要はまったくありません。

県内に公立が見つからない場合もあります。その場合は無理に探さず、全国から選べる私立で比べてください。地域によっては公立の定員や課程が限られています。

2026年度から、私立との差は縮まりました

学費の比較は、2026年度に前提が変わっています。高等学校等就学支援金の所得制限が撤廃されました(令和8年4月1日施行)。

区分就学支援金の上限(年額)
私立通信制1単位 13,668円(年間上限 337,200円
公立通信制1単位 336円
所得制限2026年度から撤廃(収入の状況を問わない)

出典:文部科学省「高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律の施行等について(通知)」令和8年3月31日ほか(2026年9月確認)

これまで世帯年収を理由に対象外だった家庭も支給を受けられるようになりました。「うちは対象外だから公立しかない」と決めていた方は、もう一度計算し直す価値があります

337,200円は上限であって、もらえる額ではありません。実際の授業料までしか支給されません。授業料が上限の内側に収まる学校なら負担は小さく、超える学校では差額が自己負担です。

所得制限撤廃で変わったこと内容
対象世帯年収を問わず全世帯が対象
私立通信制の上限337,200円(1単位13,668円)
公立通信制1単位 336円
注意上限であって、実際の授業料までしか出ない

※2026年度(令和8年度)から。施行は令和8年4月1日です。

【正直に】安さで選ぶと起きること

公立をすすめる記事は多いのですが、お金以外のコストには触れていないことが多いです。ここは正直に書きます。

文部科学省の調査では、4年以上在籍している生徒の割合が公立25.6%・私立1.9%です。13倍以上の差があります。

出典:文部科学省「令和7年度通信制高等学校実態調査(速報版)」(令和7年5月1日時点)。数字の読み方は通信制高校の卒業率で詳しく解説しています。

読者の声

安い代わりに、卒業しにくいということですか?

さとみ

「しにくい」というより「急がせない設計」だと思っています。学費が安いから4年5年かけても負担が小さい。ただ、3年で終わらせたいご家庭にとっては、そこがミスマッチになります。

なお公立には見落とされがちな強みもあります。スクールカウンセラーの配置は公立98.8%・私立79.7%、スクールソーシャルワーカーは公立91.4%・私立19.4%です。安いから手薄、ではありません

安さのトレードオフ
  • 公立は4年以上在籍が25.6%(私立1.9%)
  • ただし相談体制はむしろ公立が厚い(SC98.8%・SSW91.4%)
  • 「安い=手薄」ではない。急がせない設計ということ
さとみ

わたしが一番伝えたいのはここです。安いことは大事ですが、それだけで決めると入学後に「思っていたのと違う」が起きます。お金と時間の両方で考えてみてください。

学費以外にかかるお金

「安い学校」を探すとき、授業料だけ見ていると計画がずれます。

費目注意点
スクーリングの交通費会場が遠いと積み上がる
宿泊費本校が遠方の学校は宿泊を伴う
教科書・教材費支援金の対象外
パソコン指定がある学校では十数万円
オプション講座コースによっては別料金

就学支援金がカバーするのは授業料だけです。教科書代や交通費は対象外なので、「授業料が実質無料」でも年間の出費はゼロになりません。学費の全体像は通信制高校の学費はいくら?で整理しています。

スクーリングの交通費は、学校選びの前に計算してください。年に数日でも、遠方で宿泊が必要なら数万円単位になります。授業料の差より大きくなることもあります。

負担をさらに下げる制度

授業料以外の費用にあてられる制度もあります。2026年度から対象世帯が広がりました

高校生等奨学給付金(通信制・年額)国公立私立
住民税非課税(年収270万円未満)50,500円52,100円
年収270〜380万円(拡充分)16,830円17,370円
年収380〜490万円(拡充分)12,630円13,030円

出典:文部科学省「高校生等奨学給付金」令和8年度リーフレット(2026年9月確認)。返還不要。就学支援金とは別に申し込みが必要です。

使える制度の全体像は通信制高校で使える奨学金と給付金にまとめました。

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この記事のまとめ
  • 最安は公立(年2〜4万円)。ただし住む地域で選べるかが決まる
  • 全国ランキングは実用性がない
  • 見るのは「県内の公立1〜2校」+「私立1校」
  • 2026年度から所得制限が撤廃され私立との差は縮まった
  • 安さの裏に時間というコストがある

よくある質問

通信制高校でいちばん学費が安いのはどこですか?

公立です。公式の例では北海道有朋が初年度約4万円、大阪桃谷が年4万円程度とされています。ただし公立82校のうち80校は「狭域」で、本校のある都道府県か隣接する1県までしか受け入れていません。そのため「全国でいちばん安い学校」は多くの方にとって選択肢になりません。お住まいの都道府県の公立を調べるのが実用的です。

学費が安い通信制のランキングは当てになりますか?

全国を対象にしたランキングは、実用性が低いと考えています。上位に並ぶのは公立ですが、そのほとんどは他県の学校で入学できないためです。比べる意味があるのは「自分の県の公立」と「全国から選べる私立」の2つです。

県外の公立には入れませんか?

公立82校のうち80校が「狭域」で、本校のある都道府県または隣接する1県までに限られます。残る2校は「広域」で、茨城県立水戸南高等学校(福島・茨城・栃木・埼玉・千葉)大分県立爽風館高等学校(福岡・熊本・大分)です。広域といっても全国が対象ではありません。いずれにしても、志望する学校の募集要項で入学資格を確認してください。

私立でも安くできますか?

できます。就学支援金は私立通信制で1単位13,668円・年間上限337,200円まで支給され、2026年度から所得制限が撤廃されました。授業料が上限の内側に収まる学校を選ぶと、負担はかなり小さくなります。

授業料が実質無料なら、お金はかかりませんか?

かかります。就学支援金の対象は授業料だけです。教科書代・教材費・スクーリングの交通費や宿泊費は対象外です。パソコンの指定がある学校では十数万円かかることもあります。

安い学校は卒業しにくいのですか?

公立は4年以上在籍している生徒の割合が25.6%(私立1.9%)です。ただしこれは「卒業できない」という意味ではなく、学費が安いぶん時間をかけても負担が小さい設計であることの裏返しでもあります。3年で終わらせたいご家庭は、この点を確認してください。

サポート校を使うと安くなりますか?

逆です。サポート校は高校ではないため、高卒資格を出す通信制高校の学費と合わせて二重にかかります。サポートが必要かどうかで判断する費目であって、節約の手段ではありません。

公立は学費が安いぶんサポートも薄いのでは?

そうとは限りません。スクールカウンセラーの配置は公立98.8%・私立79.7%、スクールソーシャルワーカーは公立91.4%・私立19.4%です。相談体制はむしろ公立のほうが厚い傾向にあります。

「安い順」で探し始めた方も、ここまで来たら十分です。333校の中から3校に絞れたなら、もう比較はほぼ終わっています。

今夜できる一歩

今夜やること
  • (お住まいの都道府県名)+通信制+県立」で検索して、県内の公立を1〜2校見つける
  • 全国から選べる私立を1校だけ決める
  • その3校の3年間の総額を、紙に横並びで書き出す

333校を比べる必要はありません。実際に選べるのは、3校くらいです

✓ 無料✓ オンラインで数分✓ パンフレット+募集要項が届く

\ 資料請求は無料。入学の義務はありません /

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この記事を書いた人

子どもを持つ母。わが子の進路を考える中で通信制高校を調べ始めました。学校の公式サイトと文部科学省のデータをひとつずつ確認しながら、同じように悩む親御さんが知りたいことを、分かりやすく正確にまとめていきます。

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