願書の志望動機欄が埋まらない。お子さんが「何を書けばいいか分からない」と止まってしまう。出願の最後の関門は、たいていここです。
この記事では例文も載せます。ただしそのまま写すことはおすすめしません。理由も含めて書きます。
不登校だったことを、正直に書いていいものでしょうか。マイナスに取られないか心配で……。
書いて大丈夫です。おおぞら高等学院は公式に「出席日数は入試の合否に関係ありません」と明言しています。隠すより、そのあとに何を書くかのほうが大事なんです。
- 志望動機は3つの箱で書けます(いまの状況/この学校を選ぶ理由/入学後にやること)
- 不登校や中退の経緯は隠さなくていい。ただしそこで終わらせない
- 例文を写すと面接で答えられなくなります
- 親が代筆しない。手伝うのは「思い出す作業」まで
\ 「この学校を選ぶ理由」は、資料を読むと具体的に書けます /
公式サイト https://nnn.ed.jp/
30秒でわかる|志望動機は「3つの箱」に分ける
| 箱 | 書くこと | 分量の目安 |
|---|---|---|
| ①いまの状況 | なぜ全日制ではないのか(事実を短く) | 2割 |
| ②この学校を選ぶ理由 | その学校にしかない特徴 | 4割 |
| ③入学後にやること | 具体的に1つだけ | 4割 |
多くの人が①に8割を使ってしまいます。経緯の説明が長くなり、読み終えても「この子がうちで何をしたいのか」が分からない。配分を逆にするだけで、印象はまったく変わります。
- ①いまの状況=2割で十分
- ②この学校を選ぶ理由=4割
- ③入学後にやること=4割
- ①に8割使ってしまうのが、いちばん多い失敗
例文を写すと、なぜうまくいかないのか
ネットで「志望動機 例文」を探す気持ちは、よく分かります。ただ、写すと2つの問題が起きます。
①面接で答えられなくなる
学校によっては面接があります。そこで願書に書いたことを掘り下げて聞かれます。自分の言葉で書いていないと、そこで止まります。
面接の有無はコースによって違います。N高等学校の2027年度募集要項では、ネットコースとオンラインキャンパスは書類選考のみ、リアルキャンパスは筆記試験と面接試験です。詳しくは通信制高校の親子面接にまとめました。
もう1つ。例文は「誰にでも当てはまる言葉」でできています。当てはまるということは、その学校を選んだ理由になっていないということでもあります。
②同じ文章が並ぶ
同じ例文サイトを見た人が、同じ学校に出願します。学校側は毎年それを読んでいます。
この記事の例文も、そのまま使わないでください。後半で「悪い例と良い例」の対比として出しますが、狙いは文章を配ることではなく、どこを変えると伝わるのかを見てもらうことです。
例文をそのまま使ったら、本当にばれるものでしょうか。
ばれるかどうかより、面接で困るんです。「ここに書いてある〇〇について詳しく」と聞かれて、自分で書いていないと止まってしまいます。
①いまの状況|事実を短く、それだけ
不登校、中退、人間関係、体調。理由が何であれ、事実を1〜2文で書けば十分です。
大事なのは、誰かを責める書き方にしないことです。学校や先生や同級生のせいにすると、読み手は「うちでも同じことが起きるかもしれない」と受け取ります。
| 避けたい書き方 | 置き換え |
|---|---|
| 担任が理解してくれず | 学校に通いづらい時期があり |
| クラスでいじめがあって | 人間関係がうまくいかず |
| 勉強についていけなくて最悪だった | 自分のペースで学び直したいと考え |
これは「嘘を書く」という意味ではありません。起きた事実は変えずに、主語を「相手」から「自分の状況」に移すということです。事実を曲げる必要はまったくありません。
経緯を短くすることに罪悪感を持たないでください。詳しく書けば分かってもらえる、と思いがちですが、願書は理解を求める場ではなく「これから一緒にやっていけるか」を伝える場です。
②この学校を選ぶ理由|ここで差がつく
いちばん重要な箱です。そして資料を読んでいないと書けない箱でもあります。
「自分のペースで学べるから」では足りません。それは通信制すべてに当てはまるからです。その学校にしかない特徴を1つ挙げてください。
| 弱い理由 | 強い理由 |
|---|---|
| 自分のペースで学べるから | 週1・週3・週5から選べて、途中で変更できると知ったから |
| 通信制に興味があるから | プログラミングの課外授業が追加費用なしで受けられるから |
| 家から近いから | 説明会で〇〇の話を聞いて、ここなら続けられると思ったから |
右の列は、すべて資料か説明会で得られる情報です。志望動機が書けないのは、文章力の問題ではなく材料が足りないだけのことが多いです。
\ その学校にしかない特徴は、募集要項とパンフレットに書いてあります /
公式サイト https://nnn.ed.jp/
③入学後にやること|具体的に1つだけ
「頑張ります」では何も伝わりません。やることを1つに絞って、具体的に書くのがコツです。
3年後の進路まで書ければ理想ですが、決まっていなくて構いません。「まず週3日の登校に慣れる」「レポートを月◯本のペースで出す」でも十分です。
「将来の夢がないと書けない」と思い込んでいる子が多いんです。夢はなくて大丈夫。来月できそうなことで十分です。
- 通学の頻度と変更の可否
- コースや課外活動の中身
- 説明会で実際に聞いた話
「説明会で伺った」という書き出しは強いです。実際に足を運んだ事実が伝わりますし、学校側も自分たちの説明が届いたことが分かります。
不登校の経緯は、どこまで書くか
ここがいちばん多い悩みだと思います。結論は書いていい。ただし短くです。
まず知っておいてほしい事実があります。おおぞら高等学院は公式に「出席日数は入試の合否に関係ありません」と明言しています。
出典:おおぞら高等学院 公式サイト(2026年8月確認)。詳細はおおぞらの入試を検証した記事にまとめています。
また新入学では中学校の調査書を提出しますが、出欠席の記録は学校側にすでに伝わっています。願書で隠しても意味がなく、むしろ食い違いが生まれます。書類の中身はN高の調査書で解説しました。
- 1〜2文で終える。詳細な事情説明は不要
- 謝らない。反省文ではありません
- 「だからここで何をしたいか」に必ずつなげる
| 書きたい事情 | 短くするとこうなる |
|---|---|
| 不登校 | 学校に通いづらい時期がありました |
| いじめ | 人間関係がうまくいかない時期がありました |
| 体調不良 | 体調を整えることを優先する必要がありました |
| 高校が合わなかった | 毎日の登校を続けることが難しくなりました |
※いずれも事実を変えていません。主語を「相手」から「自分の状況」に移しているだけです。
悪い例と良い例|どこを変えたか
対比で見てください。写すためではなく、変えた場所を見るための例です。
例1|不登校からの新入学
中学2年の秋から学校に行けなくなりました。クラスに馴染めず、先生も分かってくれませんでした。毎日つらくて、勉強も遅れてしまいました。通信制高校なら自分のペースで学べると思い、志望しました。高校では頑張りたいです。
中学2年の秋から、学校に通いづらい時期がありました。決まった時間に登校することが負担でしたが、家では動画で英語の勉強を続けていました。説明会で、貴校が週1から週5まで通学の頻度を選べて、途中で変更もできると伺いました。まずは週1から始めて、慣れたら日数を増やしたいと考えています。英語は検定の取得を目標にしたいです。
変えたのは3か所です。①先生やクラスを主語にしない ②続けていたことを1つ入れる ③その学校の仕組みを名指しする。経緯の長さは半分になっています。
例2|全日制からの転入
今の高校が合わないので転入したいです。人間関係も良くないし、校則も厳しくて息苦しいです。通信制なら自由だと聞いたので志望しました。
現在の高校で1年間学びましたが、毎日の登校に体力的な負担を感じ、続けることが難しくなりました。これまでに修得した単位を活かしながら、3年間で卒業したいと考えています。貴校を選んだのは、修得済みの単位の引き継ぎについて個別に相談できると伺ったためです。入学後はまず、残っている必修科目のレポートを計画的に進めたいです。
転入の場合は「単位を無駄にしたくない」という現実的な理由が強いです。単位の引き継ぎは通信制高校への転入で詳しく扱っています。
- 相手を主語にしない
- 続けていたことを1つ入れる
- その学校の仕組みを名指しする
- 経緯の長さは半分になっている
保護者が書く欄がある場合
学校によっては、保護者の記入欄が用意されていることがあります。ここで書く内容は、本人の欄とは役割が違います。
| 書くとよいこと | 避けたいこと |
|---|---|
| 家庭としてどう支えるか | 本人の欄と同じ内容の繰り返し |
| 学校に配慮してほしい事情(あれば) | 長い経緯の説明や弁解 |
| 本人の様子で最近前向きな変化 | 本人を代弁した志望動機 |
保護者欄は「お願いします」を伝える場所ではありません。学校が知りたいのは、入学後に家庭とどう連携できるかです。「朝が苦手なので声かけを続けます」のような、具体的で小さいことで十分です。
保護者欄に本人の志望動機を書き写さないでください。同じ内容が2回続くと、本人が書いていない印象になります。役割が違う欄だと考えてください。
親がやっていいこと・やらないほうがいいこと
| やっていい | やらないほうがいい |
|---|---|
| 思い出す手伝い(「続けてたこと何かある?」) | 代筆 |
| 資料を一緒に読む | 例文を渡して写させる |
| 誤字の確認 | 言い回しを全部直す |
いちばん役に立つのは「思い出す手伝い」です。本人は「自分には何もない」と思い込んでいることが多いのですが、親から見れば続けていたことが必ずあります。
ゲームばかりしていたのですが、それでもいいんでしょうか。
続いていたなら立派な材料です。「オンラインで人と協力する経験があった」と書くこともできます。無理に美化しなくていいので、事実として1つ入れてみてください。
- 代筆しない
- やるのは思い出す手伝い
- 資料を一緒に読む
- 誤字の確認まで
「何もない」と言う子ほど、聞き方を変えると出てきます。「頑張ったこと」ではなく「やめなかったこと」と聞くと、答えやすくなります。
よくある質問
志望動機は何文字くらい書けばいいですか?
願書の欄の大きさに合わせてください。指定がある場合はそれに従います。目安としては、欄の8割程度が埋まっていれば十分です。空白が目立つと熱意が伝わりにくく、はみ出すほど詰め込むと読みにくくなります。
不登校だったことを書くと不利になりませんか?
おおぞら高等学院は公式に「出席日数は入試の合否に関係ありません」と明言しています。また新入学では中学校の調査書に出欠席の記録が載るため、隠しても学校側には伝わります。短く事実を書いて、そのあとに何をしたいかを続けるのが現実的です。
将来の夢が決まっていません。何を書けばいいですか?
夢は必須ではありません。「まず週1の登校に慣れる」「レポートを計画的に出す」といった、入学直後にやることで構いません。具体的であることのほうが、遠大であることより伝わります。
親が代わりに書いてもいいですか?
おすすめしません。面接がある学校では、書いた内容を本人が説明することになります。親ができるのは、材料を思い出す手伝いと、資料を一緒に読むところまでだと考えてください。
そもそも志望動機を書く欄がない学校もありますか?
あります。出願書類の様式は学校によって違います。N高等学校の場合、ネットコースとオンラインキャンパスは書類選考のみという選考方法です。必要な書類は募集要項で確認してください。
人間関係が理由の場合、どう書けばいいですか?
「人間関係がうまくいかない時期があり」程度で十分です。相手を特定する書き方や、詳しい経緯の説明は避けてください。読み手が知りたいのは原因の詳細ではなく、これからどう学びたいかです。
この記事の例文を使ってもいいですか?
そのまま写すのはやめてください。同じ記事を読んだ人が同じ学校に出願しますし、面接で掘り下げられたときに答えられなくなります。変えた場所の考え方だけを参考にして、中身はお子さん自身の事実に置き換えてください。
手書きとパソコン、どちらがいいですか?
願書の指定に従ってください。指定がない場合、丁寧に書けているかのほうが手段より重要です。なお修正液が使えない書類もあるので、下書きをしてから清書するのが安全です。
- 志望動機は3つの箱(状況2割・選ぶ理由4割・入学後4割)
- 不登校や中退は隠さず、短く、そこで終わらせない
- おおぞらは「出席日数は合否に関係ない」と公式に明言
- 例文は写さず、変えた場所だけ見る
- 親は代筆せず、思い出す手伝いまで
願書の欄を前にすると、どうしても身構えてしまいますよね。でも学校が見ているのは文章の上手さではなく、続けられそうかどうかです。
今夜できる一歩
- お子さんに「この1年で続けてたこと、何かある?」と聞いてみる
- 志望校の資料から、その学校にしかない特徴を1つ見つける
- その2つを、3つの箱に当てはめてみる
材料さえそろえば、志望動機は30分で書けます。書けないのは文章力の問題ではなく、材料がないだけです。
\ 「この学校を選ぶ理由」の材料は、資料の中にあります /
公式サイト https://nnn.ed.jp/
