厚木清南高校(通信制)とは?受検料・入学料無料と「3年卒業は2割」の現実を公式情報で解説

「厚木清南高校 通信制」。神奈川県内で通信制の進路を探していて、この学校名にたどり着いた親御さんは多いのではないでしょうか。公立で、学費が安いらしい。でも「やばい」という言葉も一緒に出てくる。実際のところどうなのか、知りたいですよね。

そこで、神奈川県立厚木清南高等学校の公式サイト・公式Q&A・神奈川県教育委員会の資料を一つずつ確認しました。先に結論をお伝えします。

受検料も入学料も無料。授業料にあたる受講料は1単位350円。そして公式Q&Aが「例年、3年で卒業できるのは全体の2割程度」と自ら明言している学校です。

「2割」という数字だけ見ると、身構えてしまうかもしれません。ですが、わたしはこの記載を見つけたとき、むしろ信頼できる学校だと感じました。学校自身が、都合の悪い数字を隠さずに書いているからです。

この記事では、公式に確認できた情報だけで学費・学びの仕組み・入試・進路を整理します。出どころの分からない口コミは使いません。読み終わる頃には、「この学校の設計がうちの子に合うか」を判断する材料がそろっているはずです。

この記事で分かること
  • 受検料・入学料が無料で、受講料が1単位350円である根拠(県条例・2025年9月更新)
  • 県内唯一の「3課程がそろうフレキシブルスクール」という設計
  • 公式Q&Aが明言する「3年で卒業できるのは2割程度」の意味
  • 転入学が「特別な事情がない場合は認められない」という重要な制限
  • 私立の通信制と比べるとき、どこを見比べればいいか
目次

先に結論|安さは本物、ただし「卒業まで走り切る設計」は自力寄り

調べた内容を、判断に使える形で先にまとめます。

  1. 費用は公立ならではの安さ。受検料・入学料は無料、受講料は1単位350円(平日登校して履修する場合は1単位700円)
  2. 県内唯一の「全日制・定時制・通信制」3課程がそろう単位制普通科フレキシブルスクール。他課程の科目も受講できる
  3. 3年で卒業できるのは例年2割程度と公式Q&Aが明言。標準は4年以上のペースと考えるのが現実的
  4. オンライン授業・別室対応は行わないと公式Q&Aに明記。通えることが前提の設計
  5. 転入学はきわめて限定的。県外からの転居など特別な事情がない場合は認められない

お気づきでしょうか。この5つは「良い・悪い」ではなく、どういう設計の学校なのかを示しています。安いぶん、卒業までの推進力はご家庭とお子さん側で用意する必要がある。そういう構造です。

なお、2026年8月時点で、報道機関や公的機関の情報から確認できる問題事例はありませんでした。「やばい」という検索候補の正体は、事件ではなく、この「卒業のハードルの高さ」だとわたしは受け止めています。

厚木清南高校とは|県内唯一の3課程がそろう「フレキシブルスクール」

まず学校の正体からです。ここを取り違えると、あとの情報が全部ずれてしまいます。

平成17年開校。全日制・定時制・通信制が同じ校舎にある

神奈川県立厚木清南高等学校は、厚木市岡田1-12-1にある神奈川県立の高校です。平成17年に開校し、県内で唯一、全日制・定時制・通信制の3つの課程がそろう「単位制普通科フレキシブルスクール」という位置づけになっています。

フレキシブルスクールという言葉は聞き慣れないかもしれません。簡単に言えば、時間帯や課程の壁をゆるくして、自分の生活に合う形で単位を積み上げていける学校のことです。

この設計が効いてくるのが、科目の取り方です。通信制に在籍しながら、全日制や定時制の科目を受講して単位にできます。さらに、提携している専門学校の講座で単位を取ることも可能です。「通信制だから、この科目しか取れない」という窮屈さが薄いのは、この学校のはっきりした強みです。

ちなみに校歌の作曲は久石譲さん。公式の学校紹介でも触れられているポイントです。

前身は「県立厚木南高校」。厚木◯◯高校とは別の学校です

調べていて、混同しやすい点が2つありました。先に整理しておきます。

1つ目は、前身校との関係です。厚木清南高校の前身は県立厚木南高校です。ネット上には旧校名の時代の情報も残っているので、進学実績や校風の話を読むときは「いつの、どの学校名の情報か」を確認してください。開校が平成17年である以上、それ以前の情報は今の厚木清南高校の姿ではありません。

2つ目は、名前の似た学校との区別です。厚木高校・厚木東高校・厚木北高校・厚木西高校は、いずれも厚木清南高校とは別の学校です。同じ市内に「厚木」を冠する県立高校が複数あるため、検索していると情報が混ざりがちです。学校情報を見るときは、必ず「厚木清南」というフルネームで確認しましょう。

もう1つの公立通信制「横浜修悠館高校」とは仕組みが違う

神奈川県内の公立で通信制課程を持つ高校は、厚木清南高校と横浜修悠館高校の2校です。県内で公立の通信制を検討するなら、この2択になります。

ただし、この2校は仕組みが大きく異なります。横浜修悠館高校は通信制を単独で持つ学校で、平日に受けられる講座があるなど、通い方の設計が別物です。一方の厚木清南高校は、全日制・定時制と同居するフレキシブルスクールで、スクーリングは日曜が中心になります。

「公立の通信制」と一括りにせず、2校の通い方の違いを並べて見るのが、神奈川で検討する親御さんの最初の一歩です。差が出るのは「いつ・どう通うか」の部分です。

もう1点、入学資格にも触れておきます。新入学は、中学校を卒業した方(卒業見込みを含む)などで、神奈川県内に住所または勤務先がある方が対象です。編入学は、高校に1年以上在籍して中退し、修得単位がある方で、同じく県内在住または在勤などの条件があります。「県内であること」が前提になる点は、最初に押さえておいてください。

出典:神奈川県立厚木清南高等学校 公式サイト(2026年8月確認)

学費|受検料・入学料は無料、受講料は1単位350円

親御さんが一番知りたいところに進みます。結論から言えば、公立通信制の費用の安さは、想像以上です

県の条例で決まっている金額(2025年9月更新)

神奈川県の公立高校の費用は、県の条例で定められています。通信制課程について公表されている金額は次のとおりです。

項目金額
受検料無料
入学料無料
受講料(通信による履修)1単位 350円
受講料(平日に登校して履修する場合)1単位 700円
諸会費・教科書代など学校ごとに異なる(公式Web未掲載)
出典:神奈川県教育委員会「県立高校の授業料等」(2025年9月更新)および県教育委員会の通信制課程パンフレット

注目していただきたいのが、上の2行です。受検料も入学料も、通信制課程は「無料」。県教育委員会の資料でも「―」と表記され、無料であることが明記されています。

ここで1つ注意があります。同じ厚木清南高校でも、定時制課程の受検料・入学料は無料ではありません。ネットで「厚木清南 学費」と調べると定時制の金額が混ざって出てくることがあるので、通信制の数字かどうかを必ず確認してください。課程が違えば費用も別物です。

受講料の計算はシンプルで、履修する単位数×350円です。年間20単位前後のペースなら、受講料は年に1万円に届きません。私立の通信制が年間数十万円かかることを思えば、桁が違います。

ただし「受講料以外」の金額は公式サイトに載っていない

正直にお伝えしないといけない点があります。諸会費や教科書・学習書の代金など、受講料以外の費用の具体額は、公式Webでは確認できませんでした(2026年8月時点)。県教育委員会の資料にも「高校ごとに異なる」とあるだけです。

年間の実費を正確に知りたい場合は、学校に直接問い合わせるしか方法がありません。ネット上に出回っている「厚木清南の年間費用は◯万円」という数字は、公式の裏付けが取れないため、この記事では書きません。聞くときは「受講料以外に、年間でいくらかかりますか」と、受講料と分けて質問するのがコツです。

還付制度・就学支援金・託児サービス

費用の負担を軽くする仕組みも用意されています。

1つは教科書・学習書代金の還付制度です。働きながら学ぶ方などを対象に、教科書・学習書の代金が還付される制度があります。対象になるかどうかは条件があるので、入学手続きのときに確認してください。

もう1つは高等学校等就学支援金。厚木清南高校の通信制も、県の公立高校の就学支援金制度の対象です。もともとの受講料が安いので実感しにくいかもしれませんが、使える制度は使っておきましょう。

そして、意外に知られていないのが託児サービスです。日曜スクーリングの受講を支える仕組みとして、1歳以上から就学前のお子さんを対象とした託児が用意されています。子育てをしながら高校卒業を目指す方にとって、公立ならではの大きな支援です。

学びの仕組み|日曜スクーリング年18回が学びの軸

費用の次は、実際の学び方です。ここが「うちの子に続けられるか」を判断する一番の材料になります。

レポート・スクーリング・テストの3本柱

通信制の学びは、どの学校でも基本の形は同じです。レポート(添削指導)・スクーリング(面接指導)・テスト(単位認定試験)の3つで単位を積み上げます。厚木清南高校もこの形です。

特徴は、スクーリングの種類が複数用意されている点です。公式サイトで確認できるのは次のとおりです。

  • 日曜スクーリング|年18回(学びの中心)
  • 教科スクーリング|火曜・年20回(個別指導)
  • 夜間スクーリング|木曜・年6回(17:30〜20:20)
  • 春季・夏季・冬季スクーリング

加えて、毎週木曜13:00〜16:30は学習相談の時間です。レポートでつまずいたときに相談できる枠があるのは心強いところです。ただし事前の連絡が必要なので、思い立って行けばいいわけではありません。

テストは年13〜14回程度。学校の資料では年13回、県教育委員会のパンフレットでは14日間程度と示されています。いずれにせよ、決まった日にテストを受けに行く必要があります。

前期・後期の2学期制で、9月末卒業もできる

厚木清南高校の通信制は前期・後期の2学期制で、単位の認定も半期ごとに行われます。この仕組みのおかげで、9月末での卒業が可能です。

これは地味ですが大きな利点です。3月まであと数単位という状態で1年待たず、半年単位で区切りをつけられます。

卒業の条件は、3年以上の在籍・74単位の修得・特別活動30時間。ここは全国の通信制高校と共通の基準です。

クラスについても触れておきます。入学時に17クラスへ割り振られ、卒業まで同じクラスで過ごします。通信制というと「所属がない」イメージを持たれがちですが、この学校には固定のクラスがあります。

【重要】オンライン授業・別室対応は行っていない

ここは、不登校のお子さんを持つ親御さんに必ず知っておいてほしい点です。

公式Q&Aには、オンライン授業や別室での対応は行っていないと明記されています。スクーリングは、他の生徒と同じ教室に出席することが前提です。

「通信制=家から出なくていい」と考えていると、ここで想定が崩れます。厚木清南高校の通信制は、決まった日に学校へ行き、教室に入って授業を受ける設計です。

もちろん学校の落ち度ではなく、公立が提供している教育の形がそういう設計だというだけです。ただ、今の時点で教室に入ることが難しいお子さんの場合、この一点で候補から外れる可能性があることは先に知っておきたい情報です。

逆に言えば、「日曜なら行ける」というお子さんには、費用面から見て有力な選択肢になります。週5日ではなく日曜中心という頻度がどう響くか、お子さんと一緒に想像してみてください。

【公式が明言】3年で卒業できるのは、例年2割程度

この記事で一番お伝えしたい章です。ここに、厚木清南高校を検討するうえで最も大事な情報があります。

公式Q&Aに書かれている「2割程度」という数字

通信制高校を3年で卒業することを「三修制」と呼びます。厚木清南高校の公式Q&Aには、この三修制について、こう説明されています。

3年で卒業するには、毎週4〜5通(16〜20ページ)のレポート提出と、週1回程度の授業出席が前提になる。例年、3年で卒業できるのは全体の2割程度。

これは口コミでも、第三者の推計でもありません。学校自身が公式Q&Aに書いている説明です。

ここで誤解を1つ、先につぶしておきます。これは「卒業率が2割」という意味ではありません。「3年という最短ペースで卒業できるのが2割程度」という話です。残りの方が卒業できないわけではなく、4年、あるいはそれ以上かけて卒業していきます。数字の意味を取り違えると、必要以上に怖い学校に見えてしまいます。

「毎週4〜5通のレポート」がどれくらいの負荷か

数字を、生活のイメージに翻訳してみます。

毎週4〜5通、ページ数にして16〜20ページ。これを1年間、休まず続けます。加えて週1回程度の授業出席と、年に13〜14回程度のテスト。アルバイトや家庭の事情がある方なら、この時点で「かなり厳しい」と感じるはずです。

しかも通信制のレポートは、誰かが横で見ていてくれるわけではありません。締め切りを管理し、机に向かい、分からないところを自分で聞きに行く。この動きを、お子さん自身が回し続けます。

2割という数字は、この負荷の裏返しです。学校が意地悪をしているわけではなく、単位を積む作業そのものが、それだけの分量だということです。

「公立は簡単に卒業できない」と学校自身が書いている

さらに踏み込んだ記述もあります。公式Q&Aには、公立の通信制は簡単に卒業できるものではない、私立の通信制であれば比較的卒業しやすいかもしれないという趣旨の説明まで書かれています。

この正直さは、親にとって信頼材料だとわたしは考えます。入学してから「話が違う」となる学校より、入る前に現実を書いてくれる学校のほうが、家庭は準備ができます。厚木清南高校は、後者です。

ですので、この章は「厚木清南はやめておいたほうがいい」という話ではありません。設計を知ったうえで選ぶための情報としてお読みください。

親御さんが取るべき構えは2つです。1つ、3年卒業を前提にした進路計画を立てず、4年ペースを標準に置く。2つ、レポートを進める仕組みを家庭側で用意する。塾でも家庭の声かけでも構いません。学校が伴走する前提の設計ではない以上、そこは外から足すしかないからです。

出典:神奈川県立厚木清南高等学校 公式サイト「よくある質問」(2026年8月確認)

入試と転入学|検査は「作文」のみ、転入は特別な事情がある場合だけ

次は入り口の話です。ここには、意外と知られていない制限があります。

新入学の検査は作文のみ。学力検査はない

新入学の選考で行われる検査は、作文のみです。学力検査はありません。調査書と検査の結果をもとに選考されます。

中学校での成績に自信がないお子さんや、不登校で内申点が振るわないお子さんにとって、この入試の形はハードルが低めです。

募集は2回に分かれます。共通選抜(定員の80%)と、定通分割選抜です。令和9年度の日程は次のとおり公表されています。

区分出願検査(作文)発表
共通選抜2027年1月25日〜29日2月16日〜18日2月26日
定通分割選抜3月4日〜5日3月15日〜16日3月19日
令和9年度入学者選抜の日程(公式サイト・2026年8月確認)

編入学の募集もあります。直近の例では、令和8年(2026年)10月入学の編入学が若干名の募集で、受付は8月13日〜19日、検査は8月21日に作文、発表は当日という日程でした。中退した高校の修得単位を持っている方が対象です。受付期間が1週間と短いので、次回の募集を待つ場合は公式サイトで日程をこまめに確認してください。

手続きで注意したいのが出願の方法です。出願は持参のみで、郵送は受け付けていません。日程が短い区分もあるので、検討している場合は早めにカレンダーへ書き込んでおきましょう。

【要注意】転入学は「県外からの転居等」がない場合、認められない

ここが、この章で一番重要な情報です。

公式Q&Aには、転入学について「県外からの転居等の特別な事情がない場合は認められません」と明記されています。つまり、今どこかの高校に在籍中のお子さんが「合わないから厚木清南に移りたい」という理由で転入することは、原則としてできません。

私立の通信制高校の多くが転入を随時受け付けているので、同じ感覚で考えていると、ここでつまずきます。公立には公立のルールがあるということです。

もう1つ、手続きの窓口も特殊です。転入学の手続きは学校ではなく、神奈川県教育委員会の「転編入学情報センター」が扱います。まずセンターに相談する、という順番を覚えておいてください。

なお、在籍中の高校を中退したうえで編入学として受けるルートは、条件を満たせば可能です。ただし、中退という判断は取り返しがつきにくいものなので、その順序で考える前に必ず在籍校と教育委員会の両方に相談してください。転入と編入の違いは通信制高校の転入・編入を整理した記事で詳しく解説しています。

学校説明会は実施していない。説明動画とQ&Aで代替

もう1つ、親御さんが戸惑いやすい点があります。厚木清南高校の通信制は、学校説明会を実施していません。代わりに、説明動画と公式Q&Aで情報提供する形を取っています。

「一度見に行って雰囲気を確かめたい」という進め方が取りにくい、ということです。この記事で公式Q&Aの記述を丁寧に引用しているのも、そこが情報源の中心になるからです。

卒業後の進路|公式が3か年の実績を人数で公表している

「通信制に行って、その先はどうなるのか」。親としては一番気になるところですよね。厚木清南高校は、進路実績をPDFで公表しています。

公式資料に掲載されている令和5年度・6年度・7年度の3か年の数字から、大学・短大の部分を抜き出します。

進路令和5年度令和6年度令和7年度
4年制大学9人17人13人
短期大学10人9人11人
出典:厚木清南高等学校 公式サイト掲載の進路状況資料(2026年8月確認)。上記のほか専門学校・就職などの進路がある

進学先として資料に挙がっているのは、神奈川大学、桜美林大学、法政大学(通信教育課程)、慶應義塾大学(通信教育課程)などです。通信制からでも4年制大学へ進む道は、実際に開いています

ここでも、学校は率直です。公式Q&Aには、進路決定100%というわけではなく、やっとの思いで卒業できるケースもそれなりにあるという趣旨の記述があります。

なお、3年で卒業できる割合以外の卒業率については、公式Webでは公表されていません。「卒業率◯%」という数字を第三者サイトで見かけても、公式の裏付けはない点にご注意ください。

正直に|厚木清南の通信制が向く子・向かない子

ここまでの公式情報を、判断材料の形に整理します。良い面も厳しい面も、そのまま書きます。

向いている可能性が高いのは、こんなお子さん・ご家庭です。

  • 費用をできる限り抑えたい(受検料・入学料が無料、受講料1単位350円は私立と桁が違う)
  • 日曜や決まった曜日になら、学校へ行ける
  • 自分で計画を立ててレポートを進められる、または家庭で伴走できる
  • 4年以上かけてでも、着実に高校卒業を目指したい
  • 他課程や提携専門学校の講座など、学びの幅を広げたい
  • 子育て中で、託児のある日曜スクーリングという形が合う

一方、慎重に考えたいのは次のケースです。

  • 今の時点で、教室に入ることが難しい(オンライン授業・別室対応は行っていない)
  • 3年での卒業を強く希望している(例年2割程度という公式の説明がある)
  • 手厚い伴走やこまめな声かけがないと、学習が止まってしまう
  • 在籍中の高校からすぐに移りたい(転入は特別な事情がある場合のみ)
  • 神奈川県内に住所も勤務先もない

後者に当てはまるからといって、お子さんに問題があるわけではありません。学校の設計と、今のお子さんに必要なものが噛み合っていないだけです。噛み合う設計の学校は、別のところにあります。

判断のためには、比べる相手が要ります。厚木清南だけを見ていると「安いけど大変そう」で思考が止まってしまうからです。

比較の物差しとして使いやすいのが、生徒数最大級で募集要項に学費を明記しているN高等学校です。オンライン中心という、厚木清南とはちょうど正反対の設計なので、対比の材料になります。資料は無料で取り寄せられます。

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公立と私立、どっちを選ぶ?|併願で考えるのが現実的

ここまで読んで、「公立は安いけれど、うちの子に走り切れるだろうか」と感じた方も多いと思います。その感覚は正しい反応です。

公立と私立の通信制は、そもそも設計思想が違います。ざっくり言えば、公立は「安く学べる場を提供する」設計、私立は「卒業まで伴走する」設計です。どちらが優れているという話ではなく、お金で解決するか、自力で解決するかの違いです。

次のような場合は、私立の通信制も並べて検討する価値があります。

  • オンラインで学びたい/今は教室に入るのが難しい
  • 3年で確実に卒業したい/進路の予定を年単位でずらしたくない
  • 伴走してくれる大人が必要/レポートの管理を一人では回せない

公立と私立の違いをもっと基礎から知りたい方は、公立の通信制高校の仕組みをまとめた記事をあわせてお読みください。費用の全体像は通信制高校の学費を解説した記事で整理しています。

そして、進め方として現実的なのは併願です。公立の入試日程は年に数回に限られます。結果が出てから私立の候補をゼロから探すのは、時間的にも精神的にもきついものです。

公立の出願準備と並行して、私立の資料を2〜3校ぶん取り寄せておく。それだけで、どちらに転んでも次の一手が打てる状態になります。資料請求は無料ですし、入学の義務もありません。

当サイトが比較の基準にN高等学校を置いているのは、募集要項で学費を確認できるからです。仕組みはN高とはどんな学校かをまとめた記事で解説しています。

あわせて読みたい

よくある質問|親御さんから多い4つの疑問

受検料や入学料はいくらかかりますか?

通信制課程の受検料・入学料は、どちらも無料です。県教育委員会の資料でも「―」と表記され、無料であることが示されています(2025年9月更新)。

授業料にあたる受講料は1単位350円(平日に登校して履修する場合は1単位700円)。ただし諸会費や教科書代などは公式Webに金額の記載がないため、学校への問い合わせが必要です。なお定時制課程は受検料・入学料が無料ではないので、混同しないようご注意ください。

3年で卒業できますか?

公式Q&Aは「例年、3年で卒業できるのは全体の2割程度」と明言しています。3年で卒業するには、毎週4〜5通(16〜20ページ)のレポート提出と週1回程度の授業出席が前提になるとも説明されています。

これは「卒業率が2割」という意味ではありません。4年以上のペースを標準と考えて進路計画を立てるのが現実的です。

今の高校から転入できますか?

公式Q&Aに「県外からの転居等の特別な事情がない場合は認められません」と明記されており、転入学はきわめて限定的です。手続きの窓口も学校ではなく、神奈川県教育委員会の「転編入学情報センター」になります。

中退後に編入学として受けるルートは条件を満たせば可能ですが、中退は取り返しがつきにくい判断です。動く前に在籍校と教育委員会の両方へ相談してください。

オンラインで授業を受けられますか?

公式Q&Aに、オンライン授業や別室での対応は行っていないと明記されています。スクーリングは他の生徒と同じ教室に出席することが前提です。

今の時点で教室に入ることが難しいお子さんの場合は、オンライン中心で学べる私立の通信制高校も候補に入れて比べたほうが、選択肢が広がります。

【今夜できる一歩】数字の意味を知ったうえで、選択肢を2本持つ

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 受検料・入学料は無料、受講料は1単位350円(平日履修は700円)。公立の費用の安さは本物
  • 県内唯一の3課程がそろうフレキシブルスクール。他課程・提携専門学校の講座で単位が取れる
  • 日曜スクーリング年18回が学びの軸。テストは年13〜14回程度、9月末卒業も可能
  • 3年で卒業できるのは例年2割程度と公式Q&Aが明言。卒業率が2割という意味ではない
  • オンライン授業・別室対応はなし。転入学は特別な事情がある場合のみ
  • 諸会費など受講料以外の実額は公式Web未掲載のため、学校に直接確認する

調べ始める前、わたしは「公立の通信制=安いけど情報が少ない学校」だと思っていました。読み終えた今の印象は違います。厚木清南高校は、都合の悪い数字まで自分で書いている、めずらしく正直な学校です。

だからこそ、その正直さを受け取って、こちら側も現実的に準備する。それがこの学校との正しい付き合い方だと思います。

【今夜できる一歩】は2つです。1つ、学校の説明動画と公式Q&Aをご家族で一緒に見て、「日曜に通えそうか」「レポートを続けられそうか」をお子さんの言葉で確認する。2つ、比較用に私立の通信制の資料を取り寄せて、伴走の厚みと費用を並べてみる。この2つがそろえば、公立か私立かの判断は驚くほど早く決まります。

公立の出願は年に数回しかありません。そのとき慌てないために、選択肢を2本持っておく。資料請求は無料で、入学の義務もありません。お子さんに合う場所を、確かな材料で選んであげてください。

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※本記事は2026年8月時点の公式情報(神奈川県立厚木清南高等学校 公式サイト・公式Q&A・進路状況資料、神奈川県教育委員会の資料)にもとづいて作成しています。日程や制度は変更される場合があるため、出願前に必ず最新の募集要項をご確認ください。

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この記事を書いた人

子どもを持つ母。わが子の進路を考える中で通信制高校を調べ始めました。学校の公式サイトと文部科学省のデータをひとつずつ確認しながら、同じように悩む親御さんが知りたいことを、分かりやすく正確にまとめていきます。

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