子どもが高校をやめた、あるいは学校に行けなくなった。そんなときに必ず名前が出てくるのが「高卒認定試験(高認)」です。
この記事では、親御さんが知っておきたいことを、文部科学省の公式情報と最新の実施結果だけで整理しました。いちばん大事なのは、高卒認定に合格しても「高校卒業」にはならないという点です。ここを知らずに選ぶと、あとで困ることがあります。
※日程・科目・Q&Aは「文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」」、合格者の数字は「文部科学省「令和7年度第1回高卒認定試験実施結果」(2025年9月24日)」を2026年9月に確認しました。
高認に受かれば、高校を卒業したのと同じなんですよね?
そこが一番の勘違いポイントなんです。大学は受けられるようになりますが、学歴は「高校卒業」にはなりません。文部科学省もはっきりそう書いています。
- 高卒認定は「高校卒業と同等以上の学力」を国が認める試験。合格すると大学・専門学校を受験できる
- ただし最終学歴は「高校卒業」にならない
- 2026年度は8月6・7日と11月7・8日の年2回。科目は9〜10科目
- 受験者の47.0%が全科目合格(令和7年度第1回)。合格者の54.6%は高校中退の人
\ 高認と通信制、どちらが合うかは「高校卒業」が必要かどうかで決まります /
高卒認定試験とは|高校を卒業しなくても大学入学資格が取れる国の試験
高卒認定試験は、文部科学省が行う国の試験です。以前は「大検(大学入学資格検定)」と呼ばれていました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 合格すると | 高校卒業と同等以上の学力があると認められる |
| できるようになること | 大学・短大・専門学校の受験、高卒と同等とみなす採用試験・国家資格の受験 |
| 受けられる人 | 受験する年度の終わりまでに満16歳以上になる人 |
| 高校に在籍中でも | 受けられる(休学中も可) |
出典:文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」/文部科学省「高卒認定試験Q&A」
合格しても、18歳の誕生日の翌日までは「合格者」になりません(文部科学省の実施結果の注記より)。高1で全科目に合格しても、大学入学資格が得られるのは18歳になってからです。
高卒認定試験はいつ?2026年度の日程と申し込み
| 出願期間 | 試験日 | |
|---|---|---|
| 第1回 | 2026年4月6日〜5月13日(消印有効) | 2026年8月6日(木)・7日(金) |
| 第2回 | 2026年7月21日〜9月11日(消印有効) | 2026年11月7日(土)・8日(日) |
試験は年2回です。申し込みは、受験案内(願書)を取り寄せて郵送します。
一度合格した科目は記録に残るので、第1回で5科目、第2回で残りの科目というように分けて受けることもできます(文部科学省Q&Aより)。
科目は9〜10科目|高校の単位で免除できる
| 教科 | 試験科目 | 必要な数 |
|---|---|---|
| 国語 | 国語 | 1 |
| 地理歴史 | 地理/歴史 | 各1(計2) |
| 公民 | 公共 | 1 |
| 数学 | 数学 | 1 |
| 理科 | 科学と人間生活・物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎 | 2または3 |
| 外国語 | 英語 | 1 |
| 情報 | 情報 | 1 |
出典:文部科学省「試験科目・合格要件・出題範囲」。理科は「科学と人間生活+基礎科目1つ(計2)」か「基礎科目3つ」のどちらか。令和8年度から「情報」が加わりました。
高校で単位を取った科目は、試験が免除されることがあります。高校を途中まで通っていた人は、受ける科目がぐっと減ることがあるので、前の学校の単位修得証明書を取り寄せておいてください。
ただし全部の科目を免除にして合格者になることはできません。最低1科目は受験して合格する必要があります(文部科学省の資料より)。
費用はいくら?
受験料は受ける科目の数によって決まり、収入印紙で納めます。金額は文部科学省のウェブページには載っておらず(公式Web未掲載)、受験案内(願書)に記載されています。
| かかる費用 | 目安 |
|---|---|
| 受験料 | 受験する科目の数で変わる(受験案内で確認) |
| 受験案内の取り寄せ | 送料215円+支払手数料(2026年度) |
| 勉強の費用 | 独学なら教材代。予備校・通信講座を使うと別にかかる |
出典:文部科学省「令和8年度 受験案内の入手方法」
試験そのものの費用は大きくありません。費用の差がつくのは「どうやって勉強するか」のほうです。
難易度と合格率|「簡単すぎ」は本当?受験者の47%が全科目合格
| 令和7年度第1回 | 人数 |
|---|---|
| 受験者 | 8,493人 |
| 1科目以上に合格した人 | 7,684人(90.5%) |
| 全科目に合格した人(大学入学資格を取得) | 3,992人(47.0%) |
出典:文部科学省「令和7年度第1回高卒認定試験実施結果」(2025年9月24日)
受験者の約半分が、1回の試験で全科目合格まで届いています。9割の人は少なくとも1科目には合格しているので、2回に分けて合格を目指す人も多いということです。
「高卒認定試験 簡単すぎ」は月に約2,400件検索されています。たしかに1科目以上合格した人は9割います。一方で、1回で全科目に合格したのは約半分です。「1科目ずつなら届く。でも全部そろえるには計画が要る」というのが、数字から見える実際のところです。
- 1科目ずつなら、多くの人が合格している
- 全科目そろえるのは、1回だと約半分
- 2回・2年に分けて合格する人も多い
合格点(何点で合格か)は、文部科学省のウェブページで公表されていません。ネットには「40点が目安」などの数字がありますが、公式の数字ではありません。
合格者はどんな人?
| 合格者の最終学歴など | 割合 |
|---|---|
| 高校中退 | 54.6% |
| 全日制高校に在学中 | 15.1% |
| 定時制・通信制高校に在学中 | 12.5% |
| 中学校卒業 | 9.9% |
| その他・高専中退 | 7.8% |
出典:文部科学省「令和7年度第1回高卒認定試験実施結果」(2025年9月24日)(令和7年度第1回の合格者3,992人の内訳)
合格者の半分以上は高校を途中でやめた人です。「やり直しの道」として実際に使われていることが分かりますね。
「高卒認定は意味ない」と言われる理由|高校卒業とは違う
「高卒認定 意味ない」は月に約590件検索されています。そう言われる一番の理由は、文部科学省のQ&Aに書かれているこの答えです。
問「高卒認定試験に合格すると、最終学歴は高等学校卒業になるのですか?」
答「なりません。合格者は高等学校を卒業した方と同等以上の学力があると認められますが、高等学校を卒業しなければ最終学歴は高等学校卒業とはなりません。」
出典:文部科学省「高卒認定試験Q&A」
| 高卒認定に合格 | 高校を卒業(全日制・定時制・通信制) | |
|---|---|---|
| 最終学歴 | 中学校卒業のまま | 高等学校卒業 |
| 大学の受験 | できる | できる |
| 推薦・総合型選抜 | 調査書がないので使いにくい | 調査書が出るので使える |
| 「高卒以上」の求人 | 採用側の判断による | 応募できる |
つまり「意味ない」わけではなく、「大学に行きたい」なら十分意味があるけれど、「高卒の学歴がほしい」なら高校卒業が必要ということです。
高認に合格した科目を、通信制高校の単位として認めてもらえる場合もあります(学校長の判断)。高認と通信制は、組み合わせることもできるのです。
\ 「高校卒業」の学歴がほしいなら、通信制で卒業する道もあります /
- 高認=大学を受けるための資格
- 高校卒業=学歴そのもの
- どちらが必要かは、お子さんの次の目標で決まる
就職のことを考えると、どちらがいいんでしょう。
「高卒以上」を条件にしている仕事は多いので、就職を考えるなら高校卒業のほうが安心です。大学に行くつもりなら、高認でも道は開けますよ。
高認と通信制、どっちを選ぶ?
| こんな場合 | 向いている方 |
|---|---|
| 大学受験だけが目的・できるだけ早く資格がほしい | 高卒認定 |
| 「高校卒業」の学歴がほしい | 通信制高校 |
| 推薦・総合型選抜で大学を受けたい | 通信制高校 |
| 1人で計画的に勉強できる | 高卒認定 |
| 伴走してくれる人がほしい | 通信制高校 |
くわしい比較はN高と高卒認定はどっち?、中退後の選択肢は高校中退はやり直せる?にまとめています。
過去問は文部科学省が公開している
「高卒認定試験 過去問」は月に8,100件も検索されています。過去問と解答は、文部科学省のウェブサイトで無料で公開されています。
どれくらい難しいのか不安なときは、まず過去問を1科目だけ解いてみるのがいちばん早いです。「思ったより解ける」「この科目は準備が必要」が、実際に分かります。
よくある質問
高卒認定試験とは何ですか?
文部科学省が行う国の試験で、合格すると高校卒業と同等以上の学力があると認められ、大学・短大・専門学校の受験資格が得られます。以前は「大検」と呼ばれていました。
高卒認定に合格すると高卒になりますか?
なりません。文部科学省のQ&Aでも、高校を卒業しなければ最終学歴は高等学校卒業にはならないと書かれています。学歴として「高校卒業」がほしい場合は、通信制高校などで卒業する必要があります。
高卒認定試験はいつありますか?
年2回です。2026年度は第1回が8月6日・7日、第2回が11月7日・8日です。出願期間は第1回が4月6日〜5月13日、第2回が7月21日〜9月11日でした。
科目はいくつありますか?
合格に必要なのは9科目または10科目です(理科の選び方で変わります)。令和8年度から「情報」が加わりました。高校で単位を取った科目は免除されることがあります。
合格率はどれくらいですか?
令和7年度第1回では、受験者8,493人のうち3,992人(47.0%)が全科目に合格し、90.5%が1科目以上に合格しました。
受験料はいくらですか?
受験する科目の数で決まり、収入印紙で納めます。金額は文部科学省のウェブページには載っておらず、受験案内(願書)に記載されています。
高校に在籍したまま受けられますか?
受けられます。全日制・定時制・通信制のどの高校に在籍していても、休学中でも受験できます。合格した科目を高校の単位として認めるかは、学校長の判断です。
まとめ|高認は「大学への切符」。高卒の学歴とは別もの
- 高卒認定は大学・専門学校を受験できるようになる国の試験
- 最終学歴は「高校卒業」にならない
- 2026年度は8月と11月。科目は9〜10科目、高校の単位で免除あり
- 受験者の47.0%が全科目合格。合格者の半分以上は高校中退の人
今日できることは、お子さんに「大学に行きたい?それとも高校卒業の資格がほしい?」と聞いてみることです。その答えで、高認と通信制のどちらを先に調べるかが決まります。
\ 高認と並べて、通信制の資料も1つ手元に置いておくと比べやすくなります /
