朝、何度起こしても起きられない。午後になると元気になる。「怠けているのでは」と思ってしまう自分がいて、つらい。そんな親御さんに向けて書きました。
朝起きられない高校生の中には、起立性調節障害(OD)という体の不調を抱えている子がいます。この記事では、医療の判断には立ち入らず、学会が公表している情報をもとに、親と学校にできることと朝がつらい子に合う学校の選び方をまとめました。
※病気の説明は「日本小児心身医学会「起立性調節障害」」「日本小児科学会「起立性調節障害(OD)」」を2026年9月に確認しました。診断や治療は、必ず医師にご相談ください。
午後になると普通に過ごしているので、つい「気持ちの問題でしょ」と言ってしまいます。
その気持ち、よく分かります。でも学会の説明では、午前に症状が強く、午後に軽くなるのが特徴なんです。午後に元気なのは、怠けているからではないかもしれません。
- 起立性調節障害は中学生の約10%に見られ、不登校の約3〜4割に併存する
- 症状は午前に強く、午後に軽くなる
- 治療を続けると高校卒業のころには90%程度が日常生活にあまり困らなくなる
- 学校は「午前がつらい」前提で選ぶ(午後・夜間の定時制、通信制など)
\ 朝がつらい子でも通える学び方があります。資料で具体的に見てください /
起立性調節障害とは|学会の説明
「立ち上がった時に頭痛、めまい、倦怠感などの症状がでる病気で、血圧や心拍数など循環器系の自律神経の調節に不調をきたすことが原因」
出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害」
| 項目 | 学会の説明 |
|---|---|
| どのくらいの子に見られるか | 中学生の約10%(軽症を含む) |
| 不登校との関係 | 不登校の約3〜4割に併存 |
| 主な症状 | 頭痛、立ちくらみ、めまい、朝の起床困難、だるさ、食欲低下、失神 |
| 時間帯 | 午前に強く、午後に軽くなる傾向 |
| その他 | 気圧の変化の影響も受けやすい |
日本小児科学会の資料には、朝起きられないことによる遅刻や欠席が、周囲の無理解から「怠け」や「仮病」と見られ、子どもが孤立して長期の不登校につながることが少なくないと書かれています。家族と学校が「病気かもしれない」と知っておくことが、最初の一歩です。
どれくらいで良くなる?|学会が示している見通し
| 状態 | 見通し |
|---|---|
| 日常生活に支障のない軽症 | 適切な治療で2〜3か月で改善 |
| 学校を長く休む重症 | 社会復帰に2〜3年以上かかる |
| 治療を続けた場合 | 高校卒業のころには90%程度が、日常生活に支障をきたすことが少なくなる |
出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害」/日本小児科学会「起立性調節障害(OD)」
「高校卒業のころには9割」という数字は、今つらくても、高校生活の後半には楽になっている可能性が高いということです。だからこそ、今は無理をさせすぎず、卒業への道を途切れさせないことが大事なんです。
何科に行けばいい?
「起立性調節障害 高校生 何科」は月に約210件検索されています。
- まずはかかりつけの小児科に相談(思春期の子も小児科で診ています)
- 専門的には、小児心身医学に詳しい医療機関
- 診断では、症状の項目のチェックと、午前中に行う「新起立試験」などが使われる
出典:日本小児科学会「起立性調節障害(OD)」(診断の流れ)。成人期以降も症状が続く場合は、総合診療内科・一般内科・心療内科などに移ることがあるとされています。
受診の前に、「何時に起きられたか」「午前と午後の体調」を1〜2週間メモしておくと、医師に伝えやすくなります。
家庭でできること|学会が勧めていること
| 学会が挙げていること | |
|---|---|
| ☐ | 頭を下げながらゆっくり立ち上がる |
| ☐ | 水分を1日1.5〜2リットルとる |
| ☐ | 毎日30分程度歩く |
| ☐ | 規則正しい生活リズム |
出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害」。具体的な量や方法は、主治医の指示に従ってください。
そしてもう1つ。「朝起きられないのは、あなたのせいじゃない」と伝えることです。学会の資料でも、心理的に孤立することが症状を悪くする悪循環が指摘されています。
学校にお願いできること|配慮の相談
学会は、学校関係者に理解を深めてもらい、受け入れ態勢を整えることが大切だとしています。具体的にどんな配慮ができるかは学校によって違いますが、相談の材料として例を挙げます。
| 相談できることの例 | ポイント |
|---|---|
| 午前中の遅刻・保健室での休養 | 「午前が一番つらい」ことを伝える |
| 体育や集会(長く立つ場面) | 立ちくらみが出やすい場面 |
| 欠課時数の扱い・補習の方法 | 単位に直結するので早めに |
| テストの受け方 | 別室・時間の配慮など |
相談するときは、医師の診断書や意見書があると話が進みやすくなります。欠課時数と単位の関係は高校生の不登校、このままだとどうなる?の早見表で確認できます。
\ 今の学校で配慮が難しいときのために、別の学び方を知っておいてください /
朝がつらい子に合う学校の選び方
| 学校のタイプ | 朝がつらい子との相性 |
|---|---|
| 全日制 | 朝から毎日。症状が強い時期は負担が大きい |
| 定時制(午後部・夜間部) | 午後や夜に通える。三部制なら時間帯を選べる |
| 通信制 | 登校は年に数日から。学習の時間帯を自分で決められる |
| 休学 | 体調の回復を最優先したいとき |
通信制なら、朝起きられなくても大丈夫なんですか。
レポートは午後や夜に進めればいいので、毎朝の登校がない分、体調に合わせやすいです。ただ、スクーリングやテストの日は決まっているので、その日の時間帯は確認しておいてください。N高の場合は起立性調節障害でN高は通える?で詳しく書きました。
中3で起立性調節障害|高校受験はどうする?
「起立性調節障害 高校受験」も月に140件ほど検索されています。中学で欠席が多いと、内申点が心配になりますよね。
- 通信制・定時制は、書類と面接が中心の学校が多い
- 全日制を受けるなら、欠席日数の扱いを志望校に確認
- 試験の時間帯(午前)が体調に合うかも考える
不登校の中3の受験ルートは不登校でも高校受験はできるで詳しく解説しています。
よくある質問
起立性調節障害の高校生はどれくらいいますか?
日本小児心身医学会によると、軽症も含めて中学生の約10%に見られ、不登校の約3〜4割に併存しています。思春期に起こりやすい体の不調です。
何科を受診すればいいですか?
まずはかかりつけの小児科に相談するのが一般的です。専門的には小児心身医学に詳しい医療機関があります。診断では、症状のチェックと午前中に行う新起立試験などが使われます。
治りますか?
学会の説明では、軽症なら適切な治療で2〜3か月で改善し、治療を続けることで高校卒業のころには90%程度が日常生活に支障をきたすことが少なくなるとされています。重症の場合は2〜3年以上かかることもあります。
怠けているのと、どう見分ければいいですか?
親や学校が判断するのは難しいので、医療機関に相談してください。起立性調節障害は午前に症状が強く午後に軽くなるため、午後に元気だからといって怠けとは限りません。
学校にはどんな配慮をお願いできますか?
午前中の遅刻や保健室での休養、長く立つ場面への配慮、欠課時数や補習の扱い、テストの受け方などが相談の例です。医師の診断書や意見書があると話が進みやすくなります。
朝起きられないなら、どんな学校が合いますか?
午後部や夜間部のある定時制、登校日数の少ない通信制は、朝がつらい子と相性がいいことが多いです。体調の回復を最優先したい時期は、休学という方法もあります。
まとめ|「午前がつらい」を前提に、道を途切れさせない
- 起立性調節障害は中学生の約10%、不登校の3〜4割に見られる
- 症状は午前に強く、午後に軽くなる
- 治療を続ければ高校卒業のころには9割程度が楽になる
- 今は無理をさせすぎず、卒業への道を途切れさせない学校選びを
今日できることは、お子さんの起きた時間と、午前・午後の体調をメモし始めることです。受診のときも、学校に相談するときも、そのメモが一番の材料になります。
\ 朝がつらい時期でも、卒業への道をつなぐ方法はあります /
