高校生の子どもが、朝起きられない。学校に行けない日が続いている。「このまま休んだら、どうなるんだろう」と思って検索された方へ。
先にお伝えしたいのは、高校の不登校は、中学とは「困るポイント」が違うということです。中学は休んでも卒業できますが、高校は休んだ時間が一定を超えると、単位が取れなくなります。
この記事では、国の最新データ(2025年11月公表)で「不登校の高校生がその後どうなっているか」を確かめ、何時間休むと単位が危ないかの早見表と、親が最初の1か月でやることをまとめました。
※不登校の数字は「文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」」、単位のルールの例は「静岡県立高校の「学習のきまり」(静岡県教育委員会のサイトに掲載)」を2026年9月に確認しました。
高2の息子が、1か月くらい学校に行けていません。担任の先生からは「このままだと進級が…」と言われて。
それは焦りますよね。でも、いまの時点でできることは、まだたくさんあります。まず「あと何時間休めるのか」を正確に知ることから始めましょう。
- 不登校の高校生は全国に67,782人(1,000人あたり23.3人)
- そのうち退学15.6%・留年4.4%。約8割は、退学にも留年にもなっていない
- 高校は授業時間の3分の1を超えて休むと単位が取れない学校が多い
- だから最初にやるのは「あと何時間休めるか」を担任に確認すること
\ 今の学校を続けるにしても、別の選択肢を1つ知っておくと気持ちが楽になります /
国のデータ|不登校の高校生はその後どうなっている?
| 項目 | 令和6年度 |
|---|---|
| 不登校の高校生 | 67,782人(前年度68,770人) |
| 1,000人あたり | 23.3人 |
| そのうち新しく不登校になった人 | 48,869人 |
| 90日以上欠席した人 | 不登校生徒の14.9% |
| 不登校のうち、退学に至った人 | 10,566人(15.6%) |
| 不登校のうち、留年(原級留置)になった人 | 2,963人(4.4%) |
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」(高等学校の数字)
退学と留年を合わせると約2割です。逆に言えば、約8割は退学にも留年にもなっていません。休みながらも進級した人、転校した人、学年の途中で持ち直した人がここに入ります。不登校=退学、ではありません。
それに、不登校になった人の約7割(48,869人)はその年に新しく不登校になった人です。お子さんだけが特別なのではない、ということも知っておいてください。
休みが続くと、単位はどうなる?
高校は単位制です。科目ごとに「どれだけ授業に出たか」で、単位を認めるかどうかが決まります。
ある県立高校の「学習のきまり」には、こう書かれています。
「欠課時数が授業時間数の3分の1を超えると、履修が認められません。」
「いかなる理由であっても授業を欠席した場合及び授業時間のうち5分を超えた遅刻・早退及び中抜け等は欠課となります。」
出典:静岡県立高校の「学習のきまり」(静岡県教育委員会のサイトに掲載)
「3分の1」という基準を使う学校は多いですが、細かいルールは学校ごとに決まっています。お子さんの学校の「生徒手帳」や「学習のきまり」で必ず確認してください。
【早見表】何時間休むと単位が危ない?
1単位は、年間35単位時間(週1時間×35週)が標準です。「3分の1を超えたら履修不可」のルールで計算すると、こうなります。
| 週の授業時間 | 年間の授業時間 | 休める上限(目安) |
|---|---|---|
| 週1時間(1単位) | 35時間 | 11時間まで(12時間目でアウト) |
| 週2時間(2単位) | 70時間 | 23時間まで |
| 週3時間(3単位) | 105時間 | 35時間まで |
| 週4時間(4単位) | 140時間 | 46時間まで |
※当サイトの計算例です(年間35週・「3分の1を超えたら履修不可」の場合)。実際の授業時数や基準は学校ごとに違うので、担任に確認してください。
週1時間の科目は、11時間休むとあとがありません。1日休むと、その日にある科目がそれぞれ1時間ずつ欠課になります。少ない時間の科目から先に危なくなるので注意してください。
- 時間割表を用意する
- 科目ごとに週の時間数を書き出す
- 担任に「今、何時間休んでいますか」と聞いて、上限と比べる
高校生の不登校、考えられる5つの道
| 道 | 向いている場合 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 今の学校に在籍したまま休む | 体調の回復を最優先したい | 欠課時数の上限 |
| 休学する | しばらく学校から完全に離れたい | 休学中は単位が増えない。学費の扱いを確認 |
| 全日制の別の高校へ転校 | 環境を変えれば通えそう | 欠員・時期・試験の壁 |
| 通信制高校へ転入 | 毎日の登校がつらい | 自分でレポートを進める学び方 |
| 退学して高卒認定を目指す | 高校という場から離れたい | 高卒認定は「高校卒業」ではない |
転校の条件は高校は転校できる?、高卒認定との違いはN高と高卒認定はどっち?、留年・転学・中退の比べ方は高校で進級できないと言われたらで詳しく解説しています。
転校や通信制は、なんだか「逃げ」のような気がしてしまいます。
そう感じる親御さんは多いです。でも通信制高校の卒業資格は全日制とまったく同じです。大事なのは「どの学校を出たか」より、お子さんが卒業までたどり着けるかだと思います。
\ 転入の締切を知らないまま時間が過ぎると、学年が変わることがあります /
【保存版】親が最初の1か月でやること
| やること | ポイント | |
|---|---|---|
| ☐ | 子どもを責めずに、まず休ませる | 「いつ行くの?」を毎朝聞かない |
| ☐ | 担任に「欠課時数」と「上限」を聞く | 科目ごとに。紙でもらえると確実 |
| ☐ | 学校の補習・追試・レポートでの救済があるか聞く | 学校によってある |
| ☐ | 休学・転学の締切を聞く | 年度の途中で締切がある |
| ☐ | 病院・スクールカウンセラー・相談窓口につなぐ | 起立性調節障害など体の不調のこともある |
| ☐ | 別の選択肢(転校・通信制)の資料を1つ取り寄せておく | 使わなくてもいい。「逃げ道」があるだけで楽になる |
この6つのうち、上から2つだけでも今週中にできれば十分です。残りは、お子さんの様子を見ながらで大丈夫です。
公的な相談窓口は不登校・進路の無料相談窓口まとめにまとめています。
担任の先生に聞くときの3つの質問
- ① 「今、各科目の欠課時数は何時間ですか。上限は何時間ですか」
- ② 「上限を超えそうなとき、補習やレポートで救済される仕組みはありますか」
- ③ 「休学や転学をする場合、いつまでに決めればいいですか」
③は、聞くと「辞めさせる気なのか」と思われそうで、ためらう方が多い質問です。でも締切を知らないまま時間が過ぎることが一番もったいないので、ぜひ聞いてください。
「念のため、全部の選択肢の締切を知っておきたいんです」と伝えれば、先生も答えやすくなりますよ。
休学の手続きと注意点は高校の休学とは?にまとめています。
朝起きられない状態が続く場合は、起立性調節障害の高校生の記事もご覧ください(不登校の約3〜4割に併存)。
よくある質問
高校で不登校になったらどうなりますか?
国の調査(令和6年度)では、不登校の高校生67,782人のうち、退学に至った人が15.6%、留年した人が4.4%でした。約8割は退学にも留年にもなっていません。ただし高校は単位制なので、休みが続くと単位が取れなくなることがあります。
何日休むと留年しますか?
学校ごとに決まっています。ある県立高校の「学習のきまり」では、欠課時数が授業時間数の3分の1を超えると履修が認められないとされています。1単位(年35時間)の科目なら、11時間を超えて休むと危ない計算です。担任に科目ごとの上限を確認してください。
不登校の高校生はどれくらいいますか?
文部科学省の調査では、令和6年度の不登校の高校生は67,782人で、1,000人あたり23.3人でした。そのうち48,869人がその年度に新しく不登校になった生徒です。
休学と転校、どちらがいいですか?
しばらく学校から完全に離れて休みたいなら休学、環境を変えれば通えそうなら転校、毎日の登校がつらいなら通信制への転入、という考え方があります。休学中は単位が増えない点に注意してください。
高校を辞めても大丈夫ですか?
辞める前に、転校や通信制への転入を検討することをおすすめします。在籍したまま次を決めれば「転入」として移れますが、先に辞めると「編入」扱いになり、時期や条件が変わることがあります。
親はどう接すればいいですか?
まず責めずに休ませることが大切です。そのうえで、担任に欠課時数と上限、休学・転学の締切を確認し、別の選択肢の資料を1つ手元に置いておくと、親子ともに気持ちが楽になります。
まとめ|「あと何時間休めるか」を知ることから
- 不登校の高校生は67,782人。約8割は退学にも留年にもなっていない
- 高校は休んだ時間で単位が決まる
- まず担任に欠課時数と上限を聞く
- 別の道(転校・通信制)の資料を1つ持っておく
今日できることは、担任の先生に「各科目の欠課時数と上限を教えてください」と連絡することです。数字が分かれば、焦りは「計画」に変わります。
\ 使わなくてもかまいません。選択肢が手元にあるだけで、気持ちが少し楽になります /
